2025年の経済成長は大幅鈍化の見通し
(ハンガリー)
ブダペスト発
2025年07月29日
ハンガリーのオンラインメディアportfolio.huで7月23日に公開されたハンガリー国家経済省の専門家による分析記事(ハンガリー語)によると、2025年第3四半期(7~9月)と第4四半期(10~12月)には経済成長が徐々に加速し、同年通年のGDP成長率は1~2%になるとしている。政府は2025年3月、同年の成長率予測を従来の3.4%から2.5%に引き下げたが(2025年4月8日記事参照)、その後発表された各種経済指標によって、それも過度に楽観的な見通しだったことが明らかになっており、現状ではこれを大きく下回る見通しだ。
同分析によると、2025年第2四半期(4~6月)に幾つかの部門(サービス業、特に観光、建設業)は好調を維持したものの、天候不良やコスト高などに見舞われた農業や、不安定な国際情勢によって苦境にあえぐ製造業の落ち込みを補うには至らなかった。その結果、第2四半期のハンガリー経済は前年比で全体として停滞したと評された。
今回の分析記事では、2025年下半期には幾つか前向きな動きも見られるとしている。その背景として、前年の経済成長が低水準だったことに加え、堅調な労働市場や実質賃金の上昇、政府の各種支援策(例えば、家族向け税制優遇など、2025年2月28日記事参照)などによる個人消費の底上げが挙げられている。また、手頃な住宅供給を目的とした政府措置(住宅改修支援や住宅ローン優遇措置など)や、企業向けプログラム(「150の新工場プログラム」など)によって、建設業のさらなる活性化も期待されている(2025年5月12日記事参照)。自動車分野では、欧州で電気自動車(EV)の販売回復が期待され、EV用バッテリーについて、2025年後半にハンガリーでの製造能力が増加する見込みとしている。
なお、ハンガリー国立銀行や欧州委員会も直近のGDP成長率予測を下方修正しており、いずれも2025年は0.8%と予測している。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー)
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