ブルガリア、2026年1月からのユーロ導入が正式決定
(EU、ブルガリア、ユーロ圏)
ブリュッセル発
2025年07月11日
EU理事会(閣僚理事会)は7月8日、ブルガリアによるEU共通通貨ユーロの導入を承認した(プレスリリース)。これは、ブルガリアがユーロ導入基準を満たしたとする欧州委員会の報告(2025年6月13日記事参照)を受けたものだ。今回の承認により、ブルガリアが2026年1月1日からユーロを導入することが正式に決定した。通貨の換算レートは、ユーロ導入の前提条件となる欧州為替相場メカニズム(ERM II)の中心交換レートである1ユーロ=1.95583レフとなる。
ブルガリアでは2025年8月以降、導入に向けた準備として、レフとユーロによる二重価格表示が開始され、2026年末まで継続される。懸念されるインフレについては、欧州委は過去のEU加盟国のユーロ導入時のインフレは0.1~0.3%程度であり、かつ一度きりだったと言及。円滑な導入に向け、ブルガリア当局は換算レートの正確な適用や二重価格表示の監督といった施策を積極的に講じるとした。
一方で欧州委は、ユーロ導入により、ブルガリア企業はユーロ圏との取引がより円滑になり、資金調達も容易になるほか、ブルガリアに対する域外からの投資の拡大も見込まれるとして、その恩恵を強調した。
ブルガリアのユーロ導入により、ユーロ圏は21カ国となる。非ユーロ圏EU加盟国は、チェコ、デンマーク、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデンとなるが、これらの加盟国へのユーロ圏拡大のめどはたっていない。
(吉沼啓介)
(EU、ブルガリア、ユーロ圏)
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