ベトナムAIスタートアップ3社が登壇、デモ実施、「Inno Vietnam-Japan Meetup Vol.11」
(ベトナム、日本)
ホーチミン発
2025年07月30日
ジェトロは7月24日、在ベトナム日本大使館とベトナム日本商工会議所(JCCI)、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と共同で、日本企業とベトナムのスタートアップの交流イベント「Inno Vietnam-Japan Meetup Vol.11 ~ AI-Driven Futures」を開催した。人工知能(AI)を活用したサービスを開発・提供するベトナムスタートアップ3社が登壇し、自社サービスのデモを交えてピッチを行ったほか、国際協力機構(JICA)が産官学との連携によってベトナムで進めるAI分野プロジェクトについても紹介した。
同イベントは、2024年3月に始まった日本とベトナムの官民連携の枠組み「新しい日越共同イニシアチブ」のうち、「イノベーション/DX推進」をテーマに行うプロジェクトの第11弾となる(2024年5月10日記事参照)。
NICなどが発表している「Vietnam innovation & Private Capital Report 2025」によると、ベトナムのAIスタートアップ市場の総投資額は、2023年の1,000万ドルから2024年には8倍の8,000万ドルに拡大した。金融、ヘルスケア、電子商取引(EC)など多分野にAI技術が急速に浸透している(2025年5月13日記事参照)。
ピッチでは、NamiTech(ナミテック)、PIXEL ML(ピクセル・エムエル)、Aimesoft(アイメソフト)の3社が登壇した。各社の事業・発表内容は次のとおり(注1)。
- NamiTech(本社:ホーチミン市):音声AI技術に特化したBtoBのAIソリューションプロバイダー。バックグラウンドノイズキャンセル(周囲の雑音の除去)、会話の要約作成、会話内容の分析(感情分析を含む)、チャットボットのほか、銀行・金融・保険業界を主要顧客とする音声による生体認証(声紋認証)などの製品を提供。
- PIXEL ML(本社:ホーチミン市):ツールやスキル、リソースの不足からAI導入に踏み出せていない中小企業などに対し、営業、マーケティング、コンテンツ制作などさまざまな業務で、AIエージェント(自動デジタルアシスタント)を簡単に構築・導入できるノーコードプラットフォームを提供。
- Aimesoft(本社:ハノイ市):複数のアルゴリズム(音声処理、自然言語処理、画像処理、ビッグデータ、データマイニング、テキストマイニング)を融合したマルチモーダルAI(注2)を独自に開発。人間が視覚や聴覚から対象物を識別するのと同様に、画像や音声、言語処理を掛け合わせることで、高度な認識を可能とする。
PIXEL MLが自社製品のデモを行った画面(ジェトロ撮影)
(注1)添付のイベント概要資料に各社の紹介資料も掲載(添付資料参照)。この記事に登場するスタートアップへの取り次ぎを希望する場合は、ジェトロ・ホーチミン事務所(VHO-PRO@jetro.go.jp)まで連絡を。また、このイベント動画は後日、ジェトロの「J-Bridge」会員サイトに掲載予定。
(注2)テキスト、画像、音声、動画など、複数の異なるデータ形式を同時に処理し、統合的に理解するAI技術
(三木貴博)
(ベトナム、日本)
ビジネス短信 25fbd1284e690d6f