外国人の従業員積立基金(EPF)加入、10月から2%拠出開始
(マレーシア)
クアラルンプール発
2025年07月23日
マレーシア従業員積立基金(EPF)は6月25日、5月14日に官報に公示された「2025年改正従業員積立基金(EPF)法(法律第A1760号)」に基づき(2025年3月6日記事参照)、2025年第4四半期から同法を施行すると発表した。対象とする従業員は、有効なパスポート、およびマレーシア入国管理許可が許可した就労ビザを保有する、75歳未満の非マレーシア国籍の従業員。家事労働者は対象外だが、任意でEPFに加入することは可能とした。
EPFが7月上旬に新設した専用ウェブサイトによれば、雇用主は2025年10月1日から、非マレーシア国籍従業員のEPF登録と拠出を開始する必要がある。この時点で既に任意で加入している外国人従業員は再登録が不要で、既存のEPF番号を引き続き使用できる。
拠出率は、雇用主と従業員とでそれぞれ、月額賃金の2%とする。従業員が2%を超える拠出を希望する場合、所定のフォーム(マレー語のみ)を雇用主を通じてEPFに提出する必要がある。なお、永住権を持つ外国人従業員は従来どおり、60歳未満の場合は月給に応じて雇用主12~13%、従業員は11%、のままで変化なし(ジェトロ:マレーシア「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」の中の「現地人の雇用義務」の項目参照)。
2025年10月分の給与から拠出が義務化され、2025年11月を拠出開始月として取り扱う。雇用主は、従業員分と雇用主分の双方を翌日15日までに、マレーシア・リンギ建て(注)でEPFへ支払う。つまり、2025年10月の拠出金支払い月は翌11月であり、同月15日までに支払いが求められる。
EPFは、外国人に加入を義務化した目的について、マレーシア人従業員と外国人従業員間の公平性を高め、国際的な社会保障基準に則して、国籍に関係なく全労働者に平等な待遇を供与することだと説明している。
(注)セン(1セン=0.01リンギ)での支払いは認められず、端数は1リンギ(約35円)単位に切り上げる必要がある。
(吾郷伊都子)
(マレーシア)
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