国際自動車電子産業サミット開催、ジェトロが初のジャパンブース設置
(中国)
広州発
2025年07月09日
中国の深セン自動車電子業界協会(SZAEIA)は6月28日、広東省深セン市のヒルトン深センワールドエキシビション&コンベンションセンターで、「第14回国際自動車電子産業サミット」を開催した。
このサミットには、自動車業界を代表する企業や研究機関などが参加し、「AI(人工知能)賦能(注)、技術革新、自動車スマートエコシステムのグローバル連携」をテーマに、官民関係者による講演や展示、交流会が行われた。主催者によると、2025年は中国のティア1、ティア2企業を含む約530社の自動車関連企業が参加し、参加者数は過去最多となる1,000人を超えた。
ジェトロは今回初めて、サミットに合わせて「日中自動車関連分野交流会(深セン)」を開催し、会場内にジャパンブースを設置した。中国に進出している日系企業8社が参加し、現地企業との商談を行った。ジェトロが出展企業にヒアリングをしたところ、「自動車産業に特化したイベントで、効率的に新規顧客の開拓を行うことができた」「中国のティア1企業が当社の東南アジアの工場に関心を示していた」などのコメントがあった。サミットには日本のほか、韓国もブースを設けた。
講演セッションでは、中国自動車工業協会の葉盛基総工程師が登壇し、中国の新エネルギー車(NEV)の発展状況を紹介した。中国NEV車産業は既に世界をリードしており、2024年には生産・販売台数が1,000万台を突破した。2025年1~5月の生産・販売台数は前年同期比40%以上の伸びを記録し、通年では1,600万台超が見込まれると述べた。さらに、葉総工程師は中国NEV産業の特徴として、スマート化の加速、インフラ整備の進展、海外輸出の急成長を挙げた。
中国国内市場では依然として過当競争が続いており(2025年6月13日記事参照)、多くの中国企業が海外市場への展開を加速している。今回のイベントにも、第三国への展開を視野に入れた中国系企業の参加がみられた。一方で、自動車産業に関わる在中国日系企業は新規の販路拡大へ向けた取り組みを行っており、第三国市場で日中企業間の連携可能性を探る動きがある(ジェトロによるヒアリング)。また、ジェトロが7月1日に自動車産業の調査会社マークラインズのウェブサイトを確認した結果、日本の自動車関連企業は中国企業よりも早い段階から東南アジアに進出しており、現地に拠点を構える企業も既に多いことがわかった。
サミットの様子(主催者提供)
ジャパンブース(主催者提供)
(注)AI技術を活用して、既存の産業などに新たな価値を付加し、業務を効率化・高度化することを指す。
(周祖惠、西村京子)
(中国)
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