米国・アフリカビジネスサミット開催、25億ドル以上の投資発表
(アンゴラ、米国、シエラレオネ、ルワンダ、コンゴ民主共和国、エチオピア)
ナイロビ発
2025年07月04日
米国アフリカビジネス協議会(CCA)は6月22~25日、アンゴラの首都ルアンダで、米国・アフリカビジネスサミットを開催した。アフリカ12カ国の国家元首や米国とアフリカの官民関係者など2,700人以上が参加した。米国からはトランプ政権で上級顧問を務めるマサド・ブーロス氏を筆頭に、米国通商代表部(USTR)や米国国際開発金融公社(DFC)、米国輸出入銀行からも幹部が参加した。
米国政府の発表によると、今回のサミットで25億ドル以上の新規投資が発表された。
具体的な投資内容は次のとおり。
○アンゴラ
- 米国のアメコン(Amer-Con Corporation)がアンゴラ貨物・物流認証規制庁(ARCCLA)と共同で、米国主導で開発計画を進めるロビト回廊(2024年3月22日付地域・分析レポート参照)に沿って、穀物サイロターミナルを22基建設・運営する戦略パートナーシップ協定を締結。
- 米国のサイバスティオン(Cybastion)によるデジタルインフラ整備やサイバーセキュリティー強化にかかるアンゴラ・テレコムへの1億7,000万ドルの投資契約の締結。
- 米国のエネルギー投資会社ハイドロリンク(Hydro-Link)が15億ドルを投じて、アンゴラのルアカ水力発電所とコンゴ民主共和国(DRC)のコルウェジの鉱山を結ぶ送電網整備を行う契約を締結。
○シエラレオネ
- CECアフリカ・シエラレオネがAG&Pと提携し、シエラレオネで液化天然ガス(LNG)ターミナルを開発する覚書を締結。
○ルワンダ、コンゴ民主共和国(DRC)
- 米国に拠点を置くアンザナ・エレクトリック・グループがルジジIIIホールディング・パワー(RHPCL)と暫定契約を締結し、ルワンダとDRCにまたがる7億6,000万ドル規模の水力発電プロジェクトへ参画。
○エチオピア
- エチオピア・インベストメント・ホールディングス(EIH)とUSインターナショナル・ファイナンス・パートナーズ(USIFP)がエチオピアでホテルなど観光インフラ開発への2億ドル以上の投資を行う覚書を締結。
ブーロス上級顧問は、トランプ政権が従来の開発援助から商業的関与を重視した投資主導型モデルへとアプローチを転換しており、援助ではなく、ビジネスと貿易こそが長期的かつ持続可能な成長の原動力と述べた。また、米国による仲介でDRCとルワンダが和平合意に至ったと外交成果(2025年7月3日記事参照)を強調しつつ、地域の安定化に貢献し、そこに米国が投資を拡大していくよう支援すると述べた。
(佐藤丈治)
(アンゴラ、米国、シエラレオネ、ルワンダ、コンゴ民主共和国、エチオピア)
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