外務省が中東一部地域の危険レベルを引き下げ

(アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、イラン、イスラエル)

調査部中東アフリカ課

2025年07月30日

日本の外務省は7月24日、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、カタール全土に発出していた危険レベル1を解除した。

6月13日に、イスラエルがイランに対して先制攻撃を行った(2025年6月13日記事参照)ことをきっかけに、両国は交戦状態となった。6月22日には米国がイランの核施設を攻撃し(2025年6月23日記事参照)、中東域内にある米国軍事基地がイランの報復の対象となることが懸念される事態となった(2025年6月24日記事参照)。これを受けて日本の外務省は、中東地域でのさらなる事態悪化の可能性を踏まえ、同日にアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、カタール全土に対して危険レベル1(十分注意してください)を発出した。その後、イランがカタールの米軍基地を攻撃したものの限定的な攻撃にとどまり、また6月24日にはイスラエル・イラン間の停戦合意が発表された。外務省は今回7月24日の発表で、6月25日以降は両国間での攻撃の応酬は発生しておらず、事態の一定の鎮静化が見られるとして、3カ国の危険レベルを解除したと述べている。

また外務省は7月24日、同様の理由から、イランについて、パキスタンとの国境地帯とケルマンシャー州およびイーラーム州のイラクとの国境地帯を除く全地域(首都テヘランを含む)の危険レベルをレベル3(渡航中止勧告)に引き下げた。イスラエルとヨルダン川西岸地区およびガザ地区についても、ガザ地区および同地区との境界周辺、レバノンとの国境地帯、ヨルダン川西岸地区(ジェリコ、ベツレヘム、ラマッラおよびこれら3都市とエルサレムを結ぶ幹線道路、ヨルダン川西岸地区内の国道1号線および国道90号線を除く)を除く地域(テルアビブを含む)の危険レベルをレベル2(不要不急の渡航はやめてください)に引き下げた。

なお、中東地域では今後も突然の情勢変化が起こる可能性があるため、渡航の際は外務省海外安全ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどで最新の安全情報を確認することが重要だ。

(久保田夏帆)

(アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、イラン、イスラエル)

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