上半期の二輪車販売台数は前年同期比6.4%増、政府はガソリンバイクへの規制強める方針

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年07月31日

ベトナム二輪車製造者協会(VAMM)によると、ベトナムの2025年上半期の自動二輪車(バイク)の販売台数は前年同期比6.4%増の1284,291台(添付資料表参照、注1)だった。このうち、シェア1位のホンダベトナム(注2)の販売台数は86.3%を占める1108,793台だった(前年同期比15.8%増)。ホンダベトナムは6月、ベトナムでの累計生産台数が4,000万台に達したと発表している。

ベトナム統計局の「ベトナム家計生活水準調査」によると、100世帯あたりのバイクの所有台数は、2014年の129台から2024年には169台(1世帯あたり1.69台所有)へ増加しており、引き続きバイクはベトナムの主要な交通手段となっている(2025年6月9日記事参照)。

ビンファストの電動バイク納車台数が増加、日系各社も参入

2018年に、地場複合企業ビングループ傘下の自動車会社ビンファストが、電動バイクの販売を開始した。納車台数は2024年に7977台、2025年第1四半期は44,904台(前年同期比4.7倍)と納車台数を伸ばしている。同社のバイクは、ビングループ傘下で、サインSMXanh SM)という配車・配送サービスを提供するGSM(グリーン・スマート・モビリティー)へ主に納車されている。日系では、ヤマハモーターベトナムが2022年にベトナム市場では同社初となる電動バイク「ヤマハネオ(NEO's)」を、20254月にはホンダベトナムが同じく同市場初となる電動バイク「アイコン イー(ICON e:)」をそれぞれ販売開始している。両社とも、該当ブランドの電動バイクはベトナム国内で生産を行っている。

ベトナム政府は、化石燃料の使用量を抑え深刻化する大気汚染を軽減するため、都市部においてガソリンバイクの規制を強化する動きを見せている。ハノイ市では20267月以降、市内中心部から段階的にガソリンバイクの利用を制限する指示が政府より出された(VNエクスプレス723日)。ホーチミン市では、2026年から、配車や配送ドライバーがグラブなどのプラットフォームに新規登録する際、ガソリンバイクの使用を禁止する案が示されており、今後、電動バイクの普及が促進される可能性がある(VNエクスプレス717日)。

写真 ビンファストの配車・配送サービス用電動バイク(ジェトロ撮影)

ビンファストの配車・配送サービス用電動バイク(ジェトロ撮影)

写真 4月に販売を開始したホンダ「ICON e:」(ジェトロ撮影)

4月に販売を開始したホンダ「ICON e:」(ジェトロ撮影)

(注1)VAMMに加盟するホンダベトナム、ベトナムスズキ、ヤマハモーターベトナム、ピアッジオベトナム(イタリア系)、SYMベトナム(台湾系)の国内販売台数の合計。輸出は含まれない。

(注2)ホンダベトナムは、本田技研工業とベトナム動力農業機械総公社(VEAM)の合弁会社として1996年に設立。フート省(旧ビンフック省)とニンビン省(旧ハナム省)に二輪車組立工場がある。

(安部暢人)

(ベトナム)

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