2024年版ベトナム家計生活水準調査結果を公表、月間平均所得が3万円を超える
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年06月09日
ベトナム統計局は5月16日、2024年版家計生活水準調査報告書の速報版を発表した。同調査は、ベトナムの生活水準の変化の継続的な把握を目的に2002年から実施されている。2024年調査は全国4万6,995世帯を対象に行われ、所得、支出、人口統計、教育、健康、住居、耐久消費財、衛生など幅広い項目のデータを収集している(一部項目は隔年で実施)。
同報告書によると、2024年の1人当たりの月間平均所得は542万ドン(約3万352円、1ドン=約0.0056円)となり、前年の496万ドンから9.1%増加した(添付資料表1参照)。
省・市別にみると、上位5省・市は南部ビンズオン省894万ドン、首都の北部ハノイ市755万ドン、南部ドンナイ省715万ドン、商都の南部ホーチミン市711万ドン、北部ハイフォン市703万ドンの順となり、ハノイ市がホーチミン市を3年連続で上回った。
都市部と農村部の内訳をみると、都市部は689万ドンで、2014年の約1.7倍。農村部は451万ドンで、2014年の約2.2倍となった。農村部の伸びが大きいが、都市部と農村部の間には依然として格差(約1.5倍)が存在する。また、所得階層別(注)に、高所得層(グループ5)と低所得層(グループ1)を比較すると、2014年では約9.7倍の開きがあったが、2024年では約7.4倍に縮小した。
耐久消費財の購入(添付資料表2参照)のうち、100世帯あたりの自動車の所有台数が2014年の2.1台から6.9台、バイクが129台から169台、エアコンが17台から77台、洗濯機・衣類乾燥機が29台から65台と大幅に増加した。
また、主要な食品の1人当たり月間消費量の推移をみると(添付資料表3参照)、2014年との比較でコメの1人当たり月間消費量が9.0キログラム(kg)から6.5kgに減少した一方、肉の消費量は1.9kgから2.6kgに、卵は3.7個から5.1個に増加しており、所得の上昇はベトナム人の食生活に変化をもたらしている。
(注)下位20%の低所得層をグループ1として、その後20%ごとにグループ2からグループ5まで区分したもの。
(安部暢人)
(ベトナム)
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