ウズベキスタン大統領、ハンガリーを公式訪問、投資・貿易協力を拡大

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は5月19日から21日にハンガリーを公式訪問し、オルバーン・ビクトル首相と20日に会談を行った。両国首脳は戦略的パートナーシップの拡大に関する共同宣言に署名した。ほかに、政府や省庁間で気候変動や科学技術・イノベーション、原子力の平和的利用に関する各協力協定、犯罪人引渡し条約などを取り交わした。

原子力分野の協力に関し、ウズベキスタン原子力エネルギー発展庁（ウズアトム）はハンガリーのエネルギー企業MVM EGIと協力協定を締結した。MVM EGIが開発した乾式冷却システムをウズベキスタンに建設予定の低容量原子力発電所（2024年5月29日記事参照）向けに供給することで合意した。

両国首脳はまた、交通インフラの近代化、道路や物流センターの建設、繊維・建設資材・化学製品・医薬品の生産、デジタル技術の開発についても合意に達した。さらに、両国の15億ユーロ相当の新規投資プロジェクトの実施や、2国間貿易額を現行の7倍の5億ユーロに増加させる計画で合意した。

医薬品分野では、ブタペストを5月19日に訪問したウズベキスタン製薬産業発展庁のアブドゥラ・アジゾフ長官がハンガリーの最大手製薬会社ゲデオン・リヒターと、メディトップ・ファーマシューティカルのトップと会談し、ウズベキスタンでの医薬品の受託製造に関する交渉を行った。

製造分野では、タシケント州の経済特区「アングレン」内にある欧州企業向け特別工業地帯の管理を工業団地運営会社であるハンガリーのインパーク行うことが明らかになった。ハンガリー製造業の進出を後押しするとみられる。

両国は投資やウズベキスタンの輸出力強化に向けた協力も展開している。2023年にウズベキスタンで第5位のイポテカ銀行を買収したハンガリーのOTP銀行はウズベキスタンと共同で、自動車ローン融資会社を設立する計画を発表した。加えて、輸出力強化を目的として、ハンガリー側がEUの要求事項に準ずる商品の事前認証プログラムを開始することも明らかとなった。

（ウラジミル・スタノフォフ）