中国税関、両用品目輸出管理における疑義確認に関する詳細を発表

(中国)

調査部中国北アジア課

2025年06月18日

中国海関(税関)総署は6月16日、両用品目輸出管理における疑義の確認業務を最適化するため、「税関法」「輸出管理法」「両用品目輸出管理条例」に基づき、海関総署公告2025年第123号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、公告)を発表した(注1)。

公告では、輸出者が税関に対して、国家輸出管理部門(商務部)が発行する許可証を提示せず、かつ、当該貨物が輸出管理対象に該当する可能性がある証拠を税関が有する場合、税関は輸出者に対して疑義を提起する「両用品目輸出管理税関疑義通知書」を発行し、同通知書を受け取った輸出者は7営業日以内に次の資料に公印を捺印して提出しなければならないと定めた(注2)。

  1. 通関申告書の紙媒体
  2. 当該貨物の輸出契約書
  3. 状況を説明する資料(貨物の性能指標、主要な用途、当該貨物が輸出管理対象に該当しないと認識する理由など)
  4. 検査検疫報告書などの関連技術資料
  5. 税関が監督管理の必要に応じて提出を求めるその他の資料

税関は、輸出者の提出した資料を受理後、法に基づいて判定または組織的鑑定を行い、次の結果に応じて処置を行い、「組織的鑑定結果告知書」を発行するとされた(注3)。

(1)両用品目輸出許可証の取得が不要と判定した場合、企業に手続きを続行するよう通知する。

(2)両用品目輸出許可証の取得が必要と判定した場合、当該貨物の通関を許可せず、規定に基づき処置する。

(3)税関において両用品目に該当するか否か判定できない場合、国の輸出管理部門(商務部)に鑑定を申請し、その鑑定結果に基づき処置を行う。

「告知書」を受け取った企業は、送達された日から5営業日以内は陳述または抗弁を行う権利を行使することができる。なお、鑑定あるいは疑義の確認を行っている期間中、税関は当該貨物の通関を許可しないとされた。

(注1)中国はこれまで、ガリウム、ゲルマニウム、黒鉛(グラファイト)、アンチモン、超硬質材料、タングステン、テルル、ビスマス、モリブデン、インジウム、中・重希土類レアアースなど、各種両用品目に対する輸出管理を実施している(2023年7月4日10月26日2024年8月19日2025年2月4日2025年4月7日記事参照)。上記品目や両用品目輸出管理リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに記載の品目を輸出する輸出者は商務部(輸出者の所在地の地方商務局)に対して輸出許可を申請する必要がある。許可申請の詳細については、商務部が「両用品目輸出許可」のページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを設け、申請フローや申請資料、そのフォーマットなどを記載しているほか、3月28日には「両用品目輸出許可申請記入に関するガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」において、申請時の確認用チェックリストやQ&Aなどを掲載している。ジェトロ調査レポート「両用品目輸出管理条例PDFファイル(401KB)」も参照。

(注2)資料が外国語の場合、中国語訳したバージョンも提出する必要がある。

(注3)税関の疑義通知書および組織的鑑定結果告知書については公告ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにサンプルが添付されている。

(小宮昇平)

(中国)

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