インド政府、米マイクロン子会社の半導体経済特区設置を承認
(インド)
アーメダバード発
2025年06月12日
インド政府は6月9日、米マイクロンのインド子会社マイクロン・セミコンダクター・テクノロジー・インディア(MSTI)が半導体と電子部品製造に特化した経済特区(Special Economic Zone:SEZ)を設置する計画を承認した。商工省によると、MSTIはインド西部のグジャラート(GJ)州アーメダバード近郊のサナンド工業団地に1,300億ルピー(約2,210億円、1ルピー=約1.7円)を投資し、37.64ヘクタールのSEZを開発する。
マイクロンは2023年6月にサナンド工業団地に半導体の組み立て・テスト工場を設置する計画を発表しており、現在は工場の建設が進行中だ。他社から買収した土地・建物を活用した居抜きの工場に加え、GJ州政府から割り当てられた37.64ヘクタールの土地に大規模工場を新設する(2023年9月26日記事参照)。
背景として、商工省が6月3日に通達したSEZ規則の改正により、半導体または電子部品の製造のみを目的とするSEZを設置する際に必要な敷地面積の下限が50ヘクタールから10ヘクタールに引き下げられたことがある。また、SEZとなる土地が中央・州政府や関係機関にリースまたは抵当権が設定されている場合は、SEZ承認委員会による当該地の抵当権設定確認条件が緩和されるようになった。
SEZに入居する企業は、法人税の免税(最初の5年間は100%、続く5年間は50%)や、インド国外からの調達やSEZからの輸出にかかる関税の100%免税など、税制面で多くの優遇措置を受けることができる(参考:ジェトロのSEZにおける優遇措置(153KB))。こうしたSEZに関する規則の改正は、インド国内のハイテク製造業を後押しし、半導体エコシステムの成長や高度な技能人材の雇用創出につなげることを目的としている。
今回の発表では、マイクロンのほか、航空機部品などの製造を請け負う地場エーカス・グループ(Aequs Group)のフブリ・デュラブル・グッズ・クラスター(Hubballi Durable Goods Cluster Private Ltd)がカルナータカ州ダルワドに10億ルピーを投資し、11.55ヘクタールのSEZを設置する計画が承認された。
(飯田覚)
(インド)
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