英・加・豪・NZ・ノルウェー、イスラエルの2閣僚に制裁措置発表、人権侵害扇動を非難

(イスラエル、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、パレスチナ、米国)

テルアビブ発

2025年06月12日

英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーの5カ国は6月10日、イスラエルのイタマル・ベン・グビール国家治安相とベザレル・スモトリッチ財務相に対し、資産凍結、渡航禁止を含む制裁措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

5カ国外相による共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、「ベン・グビール氏とスモトリッチ氏は過激派による暴力行為とパレスチナ人の人権に対する深刻な侵害を扇動してきた」と非難した。さらに、「われわれはこの問題について、イスラエル政府と広範な協議を行ってきたが、暴力的な加害者は容認され、処罰を受けずに行動を続けている」として、制裁に踏み切った理由を説明した。

これに対し、イスラエルのギデオン・サール外相は同日、自身のX(旧Twitter)で声明を発表し、「選挙で選ばれた政府関係者がこのような措置の対象になることは到底受け入れられない」と反発し、「(ベンヤミン・)ネタニヤフ首相と協議し、来週初めに特別閣議を開催して、対応を決定する」と述べた。

また、スモトリッチ財務相は同日、イスラエルの銀行がパレスチナの銀行と取引する際に適用されている免責措置(Indemnity)を撤回するよう指示したという(6月11日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙電子版)。免責制度が撤回されると、イスラエルの銀行が法的・財務的リスクを負うことになるため、パレスチナの銀行との取引を停止または縮小する可能性が高まるとされる。

米国のマルコ・ルビオ国務長官は6月10日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、5カ国による制裁措置に対し、強い懸念と反対の立場を表明した。ルビオ長官は「これらの制裁は、米国が主導する停戦実現や人質全員の解放、戦争終結に向けた努力を前進させるものではない」と述べ、「米国は、これらの制裁の撤回を強く求め、イスラエルと肩を並べて立ち続ける」との立場を示した。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

(中溝丘、イバン・ステシェンコ)

(イスラエル、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、パレスチナ、米国)

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