タシケントでフォーラム、ロシア企業が資源開発協力を拡大

(ウズベキスタン、ロシア)

タシケント発

2025年06月23日

タシケント国際投資フォーラムが6月9日から12日まで、ウズベキスタンのタシケントで開催された。同フォーラムでは、ロシア企業によるエネルギーや資源開発技術を中心にした多くの協力案件の報告が行われた。

ロシアのアレクサンドル・ノワク副首相は6月10日の本会議で、国有開発銀行のVEB.RFが131億ドル、ロシア輸出センターが38億ドルをウズベキスタンに投資したと述べた。加えて、ロシア企業は過去5年間で55億ドル相当の投資協定を本フォーラムの場で結んだことを指摘し、ビジネスを進める場として同フォーラムが機能していることを強調した。

フォーラムの枠内で、両国間の貿易拡大に関する作業部会が12日に行われ、ウズベキスタンにおける大規模原子力発電所の建設について議論された(「Gazeta.uz」2025年6月15日)。会合では、相互の貿易額を増加させるため、産業協力やエネルギー、医薬品、輸送・物流などの分野における共同プロジェクトを強化することで合意が成された(ロシア経済発展省発表6月12日)。

ウズベキスタンは特に大規模な鉱業・冶金(やきん)開発プロジェクトにおいてロシアとの協力関係の構築を積極的に進めている。

希少金属の採掘や加工を行う国営企業のウズベク技術金属コンビナートのアミール・アビドフ副会長はフォーラムにおいて、同社はロシア企業と協力しレアアース関連技術の研究開発など16億ドル相当プロジェクトを70件以上実施していると述べた。

ほかの主な事例として、ウズベキスタンの冶金大手アルマリク鉱業冶金コンビナートは5月23日、同社最大の銅精鉱工場の建設がまもなく完了すると発表した。同工場には、ロシアによる融資・支援が大規模に投入されている。2021年初めにVEB.RFは、この銅加工プラント向けのロシア製設備供給のため7億1,200万ユーロを融資する意向を発表した。2025年5月末、ロシアの採鉱・冶金産業向け重機メーカーのUZTM-KARTEXは、2021年の契約によって同プラントの建設にロシアの30以上の工場から設備機器が供給されたことを指摘した上で、同プラントが既に順調に稼働を開始し、今後、年間で銅15万トン以上、金13トン以上を生産する予定であることと伝えた。また、同コンビナートの建設をめぐっては、2024年6月にウズベク・ロシア投資基金を通じた拠出も決定された(2024年6月5日記事参照)。

ウズベキスタンは近年、諸外国と資源開発やエネルギー分野の協力関係の構築を進めており、多くの国がこれに応じており、ロシアのほか、米国(2025年4月25日記事参照)、EU(2025年4月16日記事参照)、中東(2024年12月23日記事参照)などがパートナーとなっている。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、ロシア)

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