バーデン・ビュルテンベルク州経済省、「スタートアップBWサミット2025」開催

(ドイツ)

ミュンヘン発

2025年06月06日

スタートアップBWサミット2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」がドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク(BW)州シュトゥットガルトで6月2日に開催された。BW州経済・労働・観光省(以下、経済省)が主催しているもので、今回は同州スタートアップ(SU)125社、ポーランド、ウクライナ、イスラエル、ブラジルなどパートナー地域のSU約40社、州内SUエコシステムのアクセラレーターやベンチャーキャピタル(VC)39機関などが出展した。経済省によると、参加者は3,000人を超え、前回2024年より多かった。

写真 スタートアップの出展エリア(ジェトロ撮影)

スタートアップの出展エリア(ジェトロ撮影)

今回のイベントでは、SUなどの出展以外にも、キーノートスピーチやパネルディスカッション、ピッチコンテスト「Start-up BW Elevator Pitch」の決勝戦などが行われた。ピッチコンテストには同州のSU15社が参加し、アパート向け最新ヒートポンプを提供するHeatPump23外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが優勝した。また、ロータリー式自転車駐輪場を提供するKARUSO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと、動物実験を回避するためのヒト細胞ベースの検査技術を有するInnoZell外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが2位、3位となった。このコンテストは2013年から開催されており、エレベーターに乗り降りする時間でピッチを行う3分間のエレベーターピッチのかたちで実施されている。

サミットに出席したBW州のニコル・ホフマイスター=クラウト経済・労働・観光相は、2017年以降に州政府が複数の補助金やサポートのプログラム、コンテストなどを開始したことにより、BW州の「国際的な魅力を持つ、強力でネットワーク化されたエコシステム」が構築されたとコメントした。また、同州のSUエコシステムを国際的なレベルに向上させ、その際にはミュンヘンやベルリンではなく、中国の深センや米国のシリコンバレーをベンチマークにすべきだとした。 他方、現地のSUがいまだ資本調達や官僚主義の課題に直面しているとも強調した。ドイツでは官僚主義の低減が課題となっている(2025年2月20日付地域・分析レポート参照)。

写真 ホフマイスター=クラウト州経済・労働・観光相の講演(ジェトロ撮影)

ホフマイスター=クラウト州経済・労働・観光相の講演(ジェトロ撮影)

2024年のドイツ国内のSU起業件数の連邦州別ランキングでは、BW州は352社で4位だった(2025年5月12日記事参照)。また、BW州は2024年に「Start-up BW Pre-Seed」のプログラムの枠組みの中で、合計で約800万ユーロの補助金を承認し、州内47社のプレシードステージのSUに資金を提供した。補助金を受けたSUのうち、60%以上は情報技術(IT)関連だった。

(クラウディア・トーディ、ジュリアーノ・アライザ)

(ドイツ)

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