2024年のドイツにおけるスタートアップ起業件数が回復

(ドイツ)

ミュンヘン発

2025年05月12日

ドイツのスタートアップエコシステム全体に関する情報を提供するスタートアップ・ディテクターは4月29日、2024年のドイツにおけるスタートアップ(注)の起業件数などに関するレポートを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本レポートは毎年、商業登記簿の100万件以上のデータを分析したもので、ドイツ全体のスタートアップの起業件数は2,838件(前年比6.8%増)となった(添付資料図1参照)。

2024年の起業件数を連邦州別にみると、バイエルン州が550件(構成比19.4%)となり、前年と同様に最多だった(添付資料図2参照)。これに、ベルリン州521件(18.4%)、ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州505件(17.8%)、バーデン・ビュルテンベルク州352件(12.4%)、ヘッセン州196件(6.9%)などと続いた。

フベルト・アイバンガー・バイエルン州経済・開発・エネルギー相は4月30日のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、バイエルン州は引き続き起業地として最も人気がある、特にバイエルン州政府によるスタートアップ向けイニシアティブ「グリュンダーラント・バイエルン(Gruenderland.Bayern)」(2023年12月18日付地域・分析レポート参照)がそれに貢献した、と強調した。また、最も積極的な投資家の3分の1もバイエルン州に位置しているとした。

2024年の起業件数を業種別にみると、ソフトウエア関連起業は602件(前年比34.1%増)で、起業件数全体の21.2%のシェアで最多だった(添付資料図3参照)。スタートアップ・ディテクターによると、ソフトウエア関連起業の件数が2023年から急増している。その要因として、特に人工知能(AI)による新たな可能性を挙げた。また、その増加傾向が2025年第1四半期にも継続しているとした。ソフトウエア以外では、ヘルスケア301件(3.4%増、構成比10.6%)、食品関連168件(11.1%減、5.9%)、Eコマース163件(6.9%減、5.7%)、ゲーミング131件(28.4%増、4.6%)などの起業件数が多かった。

2025年第1四半期の起業件数も好調

なお、レポートによると、2025年第1四半期の起業数は747件(前年同期比8.9%増)となり、第1四半期としては2022年以降で最も多かった。連邦州別では、バイエルン州、NRW州、ベルリン州が上位を占めた。特にバイエルン州での起業件数が増加した。

(注)同レポートではスタートアップの定義を、創業から10年以内で、(1)株式会社や有限会社などの法人として商業登記簿に登記され、(2)革新的なビジネスモデル、製品またはサービスを提供し、(3)高い成長可能性がある、としている。

(クラウディア・トーディ)

(ドイツ)

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