5月の自動車販売・生産台数ともにプラス成長、農村市場での新エネ車普及促進策への期待高まる

(中国)

上海発

2025年06月17日

中国自動車工業協会(CAAM)は6月11日、5月の自動車販売台数が前年同月比11.2%増の268万6,000台、生産台数が11.6%増の264万9,000台と発表した。前月比ではそれぞれ3.7%増、1.1%増だった。販売台数のうち、国内販売台数は前年同月比で10.3%増(213万5,000台)、輸出台数は14.5%増(55万1,000台)だった(添付資料図参照)。

販売台数の内訳では、乗用車が235万2,000台(前年同月比13.3%増)、商用車が33万5,000台(2.0%減)だった。そのうち、新エネルギー車(NEV、注)は130万7,000台(36.9%増)と、前月(44.2%増)に続いて好調で、自動車販売台数全体に占める割合は48.7%だった(2025年5月19日記事参照)。NEV販売台数の内訳をみると、バッテリー式電気自動車(BEV)は83万4,000台(43.1%増)と、9カ月連続で2桁台の伸び率を記録した。プラグインハイブリッド車(PHEV)は47万3,000台(27.3%増)だった。

2025年1~5月の累計販売台数は1,274万8,000台(前年同期比10.9%増)、累計生産台数は1,282万6,000台(12.7%増)だった。販売台数の内訳では、乗用車が1,099万6,000台(12.6%増)、商用車が175万3,000台(1.2%増)だった。NEVは560万8,000台(44.0%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は44.0%と4割を超えた。

また、同期の自動車輸出台数は249万台(7.9%増)で、好調を維持した。輸出台数の内訳は、乗用車が207万9.000台(7.4%増)、商用車が41万1,000台(10.5%増)。ガソリン車は163万5,000台(8.6%減)と減少し、NEVは85万5,000台(64.6%増)と大幅増となった。

2025年1~5月乗用車の販売台数について、国別にみると、中国ブランドが前年同期比26.3%増の756万2,000台となった。これにより、中国ブランドのシェアは68.8%を占め、2024年通年(65.2%)から3.6ポイント上昇した。外資系ブランドのシェアでは、ドイツ系が13.0%、日系が9.5%、米国系が5.8%、韓国系が1.7%だった。

工業情報化部、国家発展改革委員会、農業農村部、商務部、国家能源局の5部門は5月30日、NEVの地方普及促進活動について共同発表した。NEV普及率が低くて市場潜在力が高い地域を選定し、販促イベントを開催するほか、NEV充電・電池交換の設備が不足している問題を解決するなど、農村地域のNEV普及障壁の解消を目指す。同活動はCAAMなどが地方政府関連部門と協力の下で実施する。

なお、CAAMは5月31日、「公平な競争秩序の維持、産業の健全な発展を促進する提案」を発表し、悪質な価格競争に反対し、自動車産業の健全な発展を促進するとして注目を集めた(2025年6月9日記事参照)。

(注)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の合計。

(龐婷婷)

(中国)

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