4月の自動車販売・生産台数ともにプラス成長、買い替え推進政策やモーターショーで市場が活性化

(中国)

上海発

2025年05月19日

中国自動車工業協会(CAAM)は5月12日、2025年4月の自動車販売台数が前年同月比9.8%増の259万台、生産台数が8.9%増の261万9,000台だったと発表した。前月比ではそれぞれ11.2%減、12.9%減だった。また、販売台数のうち、国内販売台数は前年同月比で11.7%増、輸出台数は2.6%増となった(添付資料図参照)。

販売台数の内訳は、乗用車が222万3,000台(前年同月比11.0%増)、商用車が36万7,000台(2.7%増)だった。そのうち、新エネルギー車(NEV、注)は122万6,000台(44.2%増)と前月(40.1%増)に続く好調で、自動車販売台数全体に占める割合は47.3%だった(2025年4月18日記事参照)。NEVの販売台数の内訳をみると、バッテリー式電気自動車(BEV)は82万2,000台(58.4%増)と、8カ月連続で2桁台の伸び率を記録した。プラグインハイブリッド車(PHEV)は40万3,000台(21.9%増)だった。なお、4月の自動車輸出台数は51万7,000台(2.6%増)だった。

2025年1~4月の累計販売台数は1,006万台(前年同期比10.8%増)、累計生産台数は1,017万5,000台(12.9%増)だった。販売台数の内訳をみると、乗用車が864万1,000台(12.4%増)、商用車が141万8,000台(2.0%増)だった。NEVは430万台(46.2%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は42.7%と4割を超えた。

また、同期の自動車輸出台数は193万7,000台(6.0%増)で好調を維持した。輸出台数の内訳は、乗用車が160万9.000台(4.6%増)、商用車が32万7,000台(13.7%増)。ガソリン車は129万5,000台(7.9%減)と減少、NEVは64万2,000台(52.6%増)と大幅増となった。

2025年1~4月乗用車の販売台数について、国別にみると、中国ブランドが前年同期比27.4%増の594万台となった。これにより、中国ブランドのシェアは68.7%を占め、2024年通年(65.2%)から3.5ポイント上昇した。外資系ブランドのシェアでは、ドイツ系が13.2%、日系が9.4%、米国系が5.8%、韓国系が1.7%だった。

中国の国家発展改革委員会と財政部は1月8日、「2025年の大規模設備更新と消費財買い替えの推進への支援強化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表し、自動車などを対象に全国的に大規模設備更新と消費財買い替えの推進支援を強化した(2025年1月16日記事参照)。商務部によると、全国の自動車買い替え補助金申請件数(4月24日24時時点)は、270万5,000台になった。

乗用車市場信息聯席会(CPCA)は5月11日、中国政府による消費財買い替え推進政策の効果が表れつつあるとした。また、4月23日~5月2日に開催された第21回上海国際汽車工業展覧会(上海モーターショー)のオフライン販促イベントにより、自動車市場が活況を呈していることなどから、5月の自動車販売は引き続き安定的に増加するとの見方を示している。

(注)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の合計。

(龐婷婷)

(中国)

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