広州市で花卉プロモーションイベント開催、日本産の魅力発信

(中国)

広州発

2025年06月30日

日本産花卉(かき)のプロモーションイベントが6月17~20日、中国・広東省広州市の複合商業施設「広州K11 ATELIER」で開催された。主催は在広州日本総領事館とジェトロ、協力は広東花卉文化学会で、日本産花卉の知名度向上と消費拡大を目的とし、中国華南地域で初の日本の花卉をテーマとした大規模イベントとなった。

17日の開幕式では、日本三大華道流派の池坊、小原流、草月流の師範が登壇し、日本産花卉を用いた華道のデモンストレーションを行った。来場した現地の花卉卸・小売業者や愛好家、ホテル業界関係者、日本料理店経営者らに対し、日本産の種類や特徴などを紹介した。18~20日には同会場で日本産花卉を使用して製作した生け花作品を展示し、市民に公開した。今回のイベントを通じて、日中花卉産業の交流促進や日本産の中国市場での認知度とブランド力の向上が期待される。

中国花卉協会の発表(3月21日付)によると、中国では、「悦己」消費(注)と呼ばれる消費性向がトレンドとなる中で、2024年の中国の花卉の小売市場規模は約2,200億元(約4兆4,000億円、1元=約20円)に拡大している。うち、オンラインによる販売額が約1,200億元を占め、リアル店舗の販売額を上回った。他方、リアルの花卉の小売店も安定的に増加しており、店舗数は約42万店となっている。大手小売店では、ハイエンドのカスタマイズや複合的なビジネスモデル(店舗での販売と、結婚式や宴会など各シーンに合わせてBtoB向けなどに販売するビジネス)を展開することで売上高を伸ばしている一方、中小規模の小売店では、前年から売上高が増加したのは15%にとどまり、閉店率は26%に達した。

写真 イベントの様子(主催者提供)

イベントの様子(主催者提供)

写真 展示会場の様子(主催者提供)

展示会場の様子(主催者提供)

(注)他人より「悦己(自身を喜ばせること)」を優先させ、自身の満足度を追求することに重きを置く消費行動のこと。Z世代の趣味や活動でこの傾向が強く見られる(2024年3月14日付地域・分析レポート参照)。

(汪涵芷)

(中国)

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