日タイEPAの電子原産地証明書(e-CO)、輸入でも試験導入へ
(タイ、日本)
バンコク発
2025年05月22日
タイ関税局は5月15日、日本・タイEPA(経済連携協定)(JTEPA)の電子原産地証明書(e-CO)に関する新たな発表を行った。JTEPAに基づくタイと日本とのCOのデータ交換については、両国政府間で調整が進み、タイから日本への輸出は3月31日から試験運用を開始している(2025年4月25日記事参照)。今回の通知により、6月2日以降は、日本からタイへの輸入でも、e-COが試験運用されることになる。試験運用期間は3カ月の予定。
導入に伴う主な変更点は次のとおり。
- PDF形式および紙の原産地証明書(CO)に加えて、新たに電子原産地証明書(e-CO)を導入する。輸入者は、JTEPAの特恵関税を享受するために、日本の発給機関(日本商工会議所)の発給したCOに従って適切に通関手続きを行う必要がある。
- COが遡及(そきゅう)発給される場合、「ISSUED RETROACTIVELY(遡及発給済み)」の記載が不要となる。COのフィールド8には記載せず、フィールド3には出荷日を記載する〔COの裏面注釈(Overleaf Notes)のフィールド8と一致〕。出荷日から1年以内は遡及発給が可能。
輸入者向けのガイドラインによると、手続きの流れは次のとおり。
(1)タイのナショナル・シングルウィンドウ(NSW)のウェブサイトまたはシステムでe-COデータが届いているかを確認する。
(2)e-COの番号と日付、新しい特典コード(「J1E」「J2E」「J3E」)を指定して、輸入申告情報を準備する(注1)。
(3)e-COと同じCO 番号を持つPDF形式のCOをタイ関税電子システム(TCES)にアップロードする〔アップロード支援書類(USD)システムを利用〕(注2)。
(4)次の書類の右上隅に輸入申告番号を記入・押印し、入港地で関税局に提出する。
- 自動車部品(工業省発行)および農産品(外国貿易局発行)の特恵適用資格証明書
- (第三国を経由した輸入の場合)第三国発行のインボイス、スルービル・オブ・レーディング(Through Bill of Lading)
なお、6月1日までに日本側で発給されたCOは、その有効期限までJTEPAの特恵関税を申請するために使用することが可能。
(注1)PDF形式で申告する場合は、特典コード(「J1P」「J2P」「J3P」)を指定する。
(注2)USD/TCEシステム障害やその他の問題により、PDF形式のCOをTCESに提出できない場合、輸入者はPDF形式のCOのカラー印刷したものを関税局に提出する。
(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ、日本)
ビジネス短信 f8e5de48942b1088