デトロイトで、北米最大級の自動化技術展示会「Automate 2025」開催

(米国)

シカゴ発

2025年05月26日

最新のロボティクスと自動化技術が集結する北米最大級の展示会「Automate 2025外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、5月12~15日、米国ミシガン州デトロイト市内のハンティントン・プレイスで開催された。

米国の自動化推進団体「オートメーション推進協会(Association for Advancing Automation:A3)」が主催し、出展企業は25カ国以上から900社を超え、産業用ロボット、人工知能(AI)、ビジョンシステム、モーションコントロール、自動化ソフトウエア、センサー技術など多岐にわたる分野が対象となっている。国・地域別の出展企業数としては、主催国の米国が最多で、中国、カナダ、台湾からも多くの企業が出展し、日系企業ではキーエンス、ファナック、ヤマハ発動機などの大手企業が参加した。

さまざまな自動化のハードウエアが会場内に立ち並ぶ一方で、展示会を視察した日系電機メーカーの担当者からは「特にソフトウエアの分野において、先進的なソリューションを目にすることが多かった」とのコメントがあった。

開会式では、A3代表が「AIは製造業の意思決定を支える『頭脳』となった」とAIと自動化の融合の重要性を述べ、人とロボットの協働が今後の鍵となることが示された。カンファレンスでは、「スタートアップによる革新」もキーワードに挙げられ、中小企業でも導入可能なモジュール型ロボットなどが注目された。

同展示会には、日本のスタートアップ企業で、九州工業大学と産業技術総合研究所により設立されたトライオーブ(TriOrb、本社:北九州市)も出展した。同社の最大の強みは、球体を用いた全方向移動機構で、ミリ単位の高精度な停止が可能であることや、高い走破性と360度移動、コンパクトかつメンテナンス性に優れる点だ。ジェトロ・グローバル・アクセラレーション・ハブによる現地アクセラレーターのサポートを通じて、会期中に多くの製造業・物流業界関係者が同社のブースに足を運び、その先駆的な技術力に高い関心を示していた。こうした日系スタートアップによるグローバル展開が、米国中西部においても、さらに加速していくことを期待したい。

なお、次回の展示会はイリノイ州シカゴで2026年6月22~25日に開催される予定。

写真 日系企業出展ブースの様子(ジェトロ撮影)

日系企業出展ブースの様子(ジェトロ撮影)

写真 製造業界等関係者がトライオーブの出展ブースを訪れる様子(ジェトロ撮影)

製造業界等関係者がトライオーブの出展ブースを訪れる様子(ジェトロ撮影)

(三原洋平)

(米国)

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