海外直接投資先として堅調維持、GTAIが2024年報告書を公表

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2025年05月22日

ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)は5月12日、2024年のドイツへの海外直接投資(FDI)動向に関するレポートを発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

本レポートによると、2024年に発表された国外からドイツへの投資案件数は1,724件(注)。件数としてはやや下降傾向であるものの、投資金額としては過去3番目に多い約232億ユーロに達し、新型コロナ禍以降の高い水準を保っている。地域別にみると、欧州域内からの投資が全体の62%を占め、21%がアジアから、14%が北米からの投資となった。国別では、米国が299件(前年:235件)で最多となり、スイスが202件(202件)、中国が199件(200件)、英国が137件(153件)、オランダが97件(122件)と続く。日本からは60件(36件)の投資があり、国別で9位にランクインした。産業別では、デジタル分野の投資が全体の17%占めて最多となり、次いでエネルギー・資源分野が16%、電子・オートメーション分野が15%、モビリティ・物流分野が13%と続いた。また、2024年の投資案件全体の約5分の1の企業がドイツを生産拠点または研究開発(R&D)拠点としている。

GTAIのロバート・ヘルマン総裁(COO)は今回の結果について、ドイツの安定性と国際的危機に対する高いレジリエンスを示すものだと述べた。近年の成長鈍化(2025年5月1日記事参照)に関する懸念がある中でも、ドイツは欧州経済の中心であり、大企業のみならず中小企業にとってもドイツは魅力的な市場である点を強調した。

(注)グリーンフィールド投資、既存拠点の拡張、合弁事業、移転を含み、M&Aを除く。外国資本50%以上の企業による投資を本統計の対象としてカウントしている。

(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)

(ドイツ)

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