2025年の「経済・社会計画と国家予算」が承認
(モザンビーク)
マプト発
2025年05月09日
モザンビーク閣僚評議会は4月28日、2025年の「経済・社会計画と国家予算(PESOE)」を承認した。PESOEは、対象年の経済・社会関連目標と予測、および国家予算計画を盛り込んだ政府の年間計画で、例年は前年12月に翌年のPESOEが国会承認されるが、今回は新政権への移行に伴い遅延していた。PESOEは閣僚評議会の承認後、国会での審議を経て可決される。
GDP成長率は、2024年第4四半期に発生した選挙後の政情不安の影響(2025年3月17日記事参照)を受け、同年の年間成長率は1.9%にとどまったものの、2025年は経済活動の緩やかな回復を見込み、2.9%と予測されている。天然ガス、石炭などを主要産品とする採掘産業が経済成長を牽引し、同分野の2025年の成長率は5.4%に達する見込みだ。経常収支の赤字は、メガプロジェクトに関連した財、サービス輸入が増加するとしており、2024年の24億9,819万ドルから35億9,886万ドルに拡大すると予測されている。他方、外国直接投資は、天然ガスプロジェクトへの投資が増加し、2024年の35億5,274万ドルから50億7,107万ドルに増加するとしている。2025年の貿易や投資動向には、エリア1天然ガス開発プロジェクト再開による影響が含まれているとみられる。同プロジェクトは、サイト周辺の治安情勢悪化により、2021年から停止状態にある(2021年4月30日記事参照)が、2025年3月に米国輸出入銀行(EXIM)が同プロジェクトへの最大47億ドルの直接融資を承認した。EXIMは2019年に融資を理事会承認していたものの、長期にわたる中断期間を踏まえたタイムラインの修正などが必要となっていた。プロジェクトコンソーシアム筆頭のフランス資源メジャー、トタルエナジーズはこの決定に対し、資金調達面の大きな進捗と反応し、同社のパトリック・プヤンヌCEO(最高経営責任者)は2025年半ばまでにプロジェクトを再開させる可能性を示唆した(「クラブ・オブ・モザンビーク」2025年5月2日)。
(松永篤)
(モザンビーク)
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