ブラジル日本商工会議所、在パラグアイ日本大使館と共催でパラグアイセミナー開催
(ブラジル、パラグアイ)
サンパウロ発
2025年05月01日
ブラジル日本商工会議所(カマラ)は4月24日、在パラグアイ日本大使館と共催で、在ブラジル日系企業向けに、パラグアイのビジネス環境を紹介するセミナー「日本の重要なパートナー、パラグアイの魅力と投資機会」をサンパウロのカマラ本部で開催した。
同セミナーでは、板垣克巳駐パラグアイ日本大使、パラグアイ商工省のハビエル・ビベロス投資・輸出担当副大臣、マルコ・リケルメ産業担当副大臣が講演を行い、同国の経済概観や投資誘致政策、関連法制度、税制などについて説明した。セミナーには日系企業から約50人が参加した。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
板垣大使は、2024年5月に岸田文雄首相(当時)がパラグアイを訪問したことや、2025年5月にはサンティアゴ・ペニャ大統領が訪日して2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に参加する予定であることを紹介し、「パラグアイは国際社会における日本の重要なパートナーだ」と強調した(注1)。
ビベロス副大臣は、パラグアイの安定した政治経済社会情勢に触れた上で、法人所得税率(表面税率)、個人所得税率(最高税率)、付加価値税率(標準税率)が全て10%で、他の南米諸国と比較してシンプルな税制と税率の低さ(注2)を強調し、同国市場に参入するインセンティブを紹介した。
リケルメ副大臣は、外国企業がパラグアイに拠点を設立し、製造またはサービス提供を行った場合の税制優遇がある点や、平均年齢27歳と若年人口が多いこと、事業者の社会保険負担率が16.5%と、隣国と比較して低いことなど、ビジネス環境の強みを紹介し、投資を呼びかけた。有望分野としては、再生可能エネルギー比率100%の電力分野、木材・農業・食肉分野、建設が進む南米両洋横断回廊を踏まえた物流分野を挙げた上で、「パラグアイの税制優遇や豊富な労働力、地理的利点などを自由な発想で活用してもらいたい」として、新しい分野の産業誘致にも意欲をみせた。また、台湾と外交関係を有する同国は、関税の大きな減免を受けて台湾向け輸出を行うことができ、ビジネス上の大きな利点となることも紹介した。
日系企業の参加者からは、人材育成の状況や、再生可能エネルギー分野と関連したビジネス機会、日本メルコスール経済連携協定(EPA)が実現した場合の影響など、質問が多数あり、同国のビジネスチャンスへの関心がみられた。
(注1)ジェトロと在日パラグアイ大使館は、サンティアゴ・ペニャ大統領のほか、外相、商工相、公共事業通信相の訪日に際し、同国への投資やビジネスチャンスについて紹介するセミナーを5月21日にジェトロ本部(東京)で開催する予定。詳細はこちら。
(注2)ジェトロでは、南米を含む世界各国の主要都市の賃金、公共料金、税金など、海外進出に必要なコストを比較した調査を毎年度公開している。詳細はこちら。
(伊藤優一)
(ブラジル、パラグアイ)
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