IMF、ロシアの2025年経済見通しを1.5%に上方修正、2026年以降は減速

(ロシア)

調査部欧州課

2025年05月02日

IMFは4月22日、世界経済見通しを発表した(2025年4月24日記事参照)。ロシアの実質GDP成長率について、2025年は1.5%、2026年は0.9%になると予測している。1月の前回見通し(2025年1月24日記事参照)と比較して、2025年は0.1ポイントの上方修正、2026年は0.3ポイント下方修正した。

IMFのペチヤ・コエバ・ブルックス調査局長代理は4月22日に行われた世界経済見通しに関する記者会見で、2025年の上方修正の理由として、2024年の予想外の成長が2025年にも影響を与えると説明した。しかし、2024年と比べた成長鈍化の主な要因として、財政や金融政策の影響や、米国の追加関税などの影響による原油価格の低下、世界経済の不確実性を挙げた。2026年の経済成長率はさらに落ちると予測している。2027年以降の年間の成長率は1.2%程度を見込んでいるが、ロシアのウクライナ侵攻前時点の1.7%より低く予測している。

一方、ロシア中央銀行は4月25日に発表した中期見通しで、2025年のGDP成長率を1.0~2.0%と予測した。2026年と2027年はそれぞれ0.5~1.5%、1.5~2.5%とした。中銀のエリビラ・ナビウリナ総裁は4月25日に行われた金融政策決定会合後の会見で、財とサービスの生産量の鈍化や消費の減速が見られ、成長のペースは控えめだと述べた。投資は前年の高水準に近いが、成長率は低下する見込みだとした。また、労働力不足は依然として投資拡大の制約要因だが、労働市場の緩和の兆候が見られると説明した。

(小野塚信)

(ロシア)

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