米大手バイオ医薬品のアムジェン、オハイオ州の製造拠点拡大に9億ドル投資

(米国)

シカゴ発

2025年05月02日

米国大手バイオ医薬品製造のアムジェン(本社:カリフォルニア州)は425日、オハイオ州の既存の製造工場の拡張に9億ドルを投資すると発表した。今回の施設拡張によって創出される雇用数は750人となり、州内への総投資額は14億ドルを超える。オハイオ州の既存の施設は20242月に開所している。

同社は発表の中で、ドナルド・トランプ大統領1期目の(法人税の軽減を含む)2017年の税制改革法の成立以来、米国での設備投資に約50億ドルを投じ、経済に約120億ドルの派生効果を創出したとしている。同社のロバート・ブラッドウェイ最高経営責任者(CEO)は、メディアとのインタビューの中で「米国での製造を基本としている。税制改革法によって米国での投資を増やすことが可能となった。今後も製造の拡大を継続する」と述べた(フォックス・ビジネス425日)。また関税の影響に関しては、「業界のほかの企業よりも(現在、高関税が課されている)中国への依存度は低い」と述べた。

現在、医薬品は、45日に発動した一律10%のベースライン関税の対象から除外されているが(2025年4月3日記事参照)、トランプ氏は医薬品に対する関税の賦課を示唆している。米国商務省産業安全保障局(BIS)は1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づき、医薬品の輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響を判断するための調査を開始している(2025年4月15日記事参照)。

最近では、アボット(2025年4月18日記事参照)、イーライリリー(2025年3月6)、ノバルティス、ロシュ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどが米国での製造拡大を相次いで発表している。

(星野香織)

(米国)

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