EU、2024年のアルコール飲料の輸出額は298億ユーロ、最大輸出先は米国
(EU)
ブリュッセル発
2025年05月08日
EU統計局(ユーロスタット)は4月28日、2024年のEUのアルコール飲料の輸出額は約298億ユーロだったと発表した(プレスリリース)。2019年比で10.9%増となった。
品目別でみると、ワイン(アルコール度数の高い酒精強化ワインを含む)が最も多く、全体の56.2%(168億ユーロ)を占めた。続いて、蒸留酒・リキュール(構成比29.7%、89億ユーロ)、ビール(11.5%、34億ユーロ)となった。
輸出元国をみると、フランスが最大で121億ユーロとEUアルコール飲料輸出額の40.6%を占め、ワイン(同国の対象品輸出額の66.7%、81億ユーロ)と蒸留酒・リキュール(31.8%、38億ユーロ)が主だった。次にイタリアが輸出額の20.2%(60億ユーロ)を占め、ワイン(81.1%、49億ユーロ)が主だった。スペイン8.3%(25億ユーロ)、オランダ7.6%(23億ユーロ)が続き、それぞれ最大輸出品目は、ワイン(16億ユーロ)とビール(13億ユーロ)だった。
最大の輸出先国は米国で(89億ユーロ、輸出額の29.8%)で、ワイン(49億ユーロ)が同国への輸出額の過半を占め、蒸留酒・リキュール(29億ユーロ)が続いた。2位は英国の49億ユーロ(16.5%)で、ワイン(同国向け輸出額の68%、33億ユーロ)が主だった。続いて中国とカナダ(ともに16億ユーロ)、スイス(14億ユーロ)となった。カナダとスイスへの主な輸出品目はワインだったが、中国へは蒸留酒・リキュール(同国向け輸出額の45%、7億ユーロ)とワイン(同34%、5億ユーロ)が主だった。
ワインは2024年のEUの農産物・食品の輸出品目(金額ベース)で3番目に多く、欧州委員会は2025年3月に、ワイン部門の競争力維持と強靭(じん)化に向けたEU規則の改正案を発表(2025年4月8日記事参照)している。
(大中登紀子)
(EU)
ビジネス短信 98bbfbb3e0c5c941