中国、4月の貿易額は輸出入とも前月比で増加

(中国、米国)

北京発

2025年05月22日

中国海関総署(中国税関)の5月9日の発表によると、2025年4月単月の貿易総額は前月比1.9%増の5,352億ドルとなった。輸出額は0.6%増の3,157億ドル、輸入額は3.9%増の2,195億ドルで、貿易収支は962億ドルの黒字だった(添付資料表参照、注1)。なお、4月単月の貿易貨物輸送量は輸出入合計で前月比5.8%増となった。そのうち輸出は6.5%増、輸入は4.6%増だった。米国による中国への相互関税が米国東部時間4月9日午前0時1分から、中国による米国への対抗措置としての関税引き上げが中国時間4月10日午後0時1分からそれぞれ適用されていた(注2)(双方における関税措置の詳細は特集:米国関税措置への対応を参照)。

4月単月の貿易額について、主要な貿易相手国・地域別に前月比をみると、輸出では、1位のASEANと2位のEU向けはそれぞれ2.3%増、8.5%増となった。他方、3位の米国は17.6%減で2桁減となり、関税引き上げの影響によるものとみられる。また、4位の香港(5.3%減)、5位の日本(4.4%減)、6位の韓国(1.5%減)はいずれも減少した。輸入では、1位のASEAN、2位のEU、3位の台湾はそれぞれ5.5%減、7.0%減、4.6%減となったが、4位の韓国、5位の日本はそれぞれ5.2%増、3.8%増だった。6位の米国は0.7%増と、輸出とは逆に輸入は微増した。

国・地域別のシェア(構成比)をみると、米国との貿易総額は3月の10.0%から4月は8.5%へ低下、輸出額は3月の12.8%から4月は10.5%に低下した。米国からの輸入は、4月は3月比で金額ベースでは増加しているものの、構成比では3月の5.9%から4月は5.7%と低下した。

主要品目別に4月単月の貿易額を金額ベースでみると、輸出は、船舶が前月比79.4%増と大幅に増加したほか、肥料、自動車(シャーシを含む)、陶磁器、穀物、靴が2桁増だった。他方、レアアースが前月比53.1%減となったほか、携帯電話、医薬品原料および医薬品が2桁減だった。輸入では、レアアースが前月比2.1倍となったほか、大豆(67.6%増)、穀物(66.3%増)、銅鉱およびその精鉱(33.9%増)、ドライフルーツ・生鮮果実およびナッツ(30.9%増)が大幅に増加した。一方、航空機(注3)が67.2%減となったほか、自動データ処理機器およびその部品(26.8%減)、食用植物油(21.9%減)が2割以上の減少となった。

(注1)ドル建てでは、4月単月の貿易総額は前年同月比4.4%増、輸出額が7.9%増、輸入額が0.3%減だった。人民元建てでは、4月の貿易総額が前年同月比5.6%増、輸出額が9.3%増、輸入額が0.8%増となり、4月単月としては史上2位の記録になった(「央広網」5月10日)。

(注2)4月10日午後0時1分以前に出荷され、10日午後0時1分から5月14日午前0時までに中国に輸入された貨物は対象から除外するとしていた (2025年4月7日記事参照)。

(注3)非積載状態の重量が2トンを超える航空機を指す。

(蔣春霞)

(中国、米国)

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