大阪・関西万博で英国ナショナルデー開催、「MUSUBI」イニシアチブで人的、文化的つながりを促進

2025年大阪・関西万博で5月22日、英国ナショナルデーが開催された。リサ・ナンディ文化・メディア・スポーツ相は、日英の2国関係は共通の価値観、世界観の共有、緊密な人的つながりにより、ここ数十年で最も強固なものになっている、と自らの出身地であるマンチェスターが大阪商工会議所に与えた影響などの歴史を交えながらスピーチを行った。

また、人的つながりの促進や、課題と機会に取り組むリーダーシップの共同育成を目的とするイニシアチブ「MUSUBI」の立ち上げを発表。この一環として、大学教育や、洋上風力などの分野における若手人材育成プログラムへの奨学金制度を発表した。また、スポーツを通じた人脈の構築や生活の質の向上も「MUSUBI」に含まれるとして、サッカー・プレミアリーグのリバプールFCが日本で設立している育成クラブや、2024年から開催している英国版の駅伝についても言及した。

経済貿易関係については、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定（CPTPP）や強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード（日英広島アコード、2023年5月19日記事参照）を通じた環境、防衛、安全保障、デジタル技術における協力関係を深化しているが、より一層の深化には人と人そして文化的なつながりが重要とした。また、2025年夏には、万博の英国パビリオンにおいてビジネスにおける女性のリーダーシップの促進に焦点を当てたイベントの開催も予定されていると述べた。

在日英国商業会議所（BCCJ）によると、ナンディ氏は英国ナショナルデー前日の5月21日、内閣府特命担当相（クールジャパン戦略）の城内実氏と会談し、クリエーティブ産業の強化について意見交換を行った。また、ビデオゲーム企業の役員や舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」日本公演のキャストとも会談した。

（野崎麻由美）