ラトビア大統領と経済ミッション団が来日、大阪でイノベーション分野のビジネスフォーラムを開催
(日本、ラトビア)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年05月22日
ラトビア投資開発庁(LIAA)は5月20日、大阪・関西万博におけるナショナルデー開催に伴い大統領と約40社からなるビジネスミッション団が来日したことを受け、大阪でイノベーション分野をテーマとするビジネスフォーラムを開催した。ラトビアの大統領と経済相がスピーチしたほか、日本およびラトビアで事業展開する企業によるパネルディスカッションや覚書の調印式が行われた。
エドガルス・リンケービッチ大統領はあいさつで、ラトビアにとって日本は安全保障面のみならず経済面でも太平洋地域における戦略的パートナーであり、エネルギー、バイオ、物流などの分野で既に両国は協力関係を有すると指摘。ラトビアの経済界は日本市場に関心を持っているので、日本において、今後もミッション団の受け入れに協力してほしいと述べた。
リンケービッチ大統領によるあいさつ(ジェトロ撮影)
ビクトルス・バライニス経済相は、ラトビアの強みと両国の連携状況について解説した。「ラトビアはグリーントランスフォーメーション(GX)、人工知能(AI)、再生可能エネルギー(再エネ)などにおいて北欧における技術先進国であるだけでなく、機敏さを重要視する価値観を有し、多言語を操れる熟練労働者が豊富で、EU単一市場へのアクセスが可能な点が強みである。日本企業では横浜ゴム、三井物産、丸紅などが進出しており、ラトビア企業では木質バイオマス発電装置を開発するフォルテスが日本進出を果たしている。ラトビアには日本企業とのビジネスに関心を持っている企業が多く、今回の訪日ミッションには約40社が参加した。両国企業が協業連携して競争力あるプラットフォームを構築したい」と期待を表した。
ジェトロの庄秀輝大阪本部長は、ジェトロによる日本およびラトビア企業への支援実績について説明した。ジェトロは2023年に、日本企業14社からなるバルト3国向けデジタルトランスフォーメーション(DX)ミッション団を派遣した(2023年9月19日記事参照)。現地の先端技術と日本企業とのオープンイノベーションの促進が目的で、現地の工科大学やイノベーション支援機関、スタートアップなどと交流したと述べた。ラトビア企業の日本進出も支援しており、オンデマンドプリンティングサービスを提供するプリントフルの拠点設立支援を行った後、同社がラトビア初のユニコーン企業となったことは非常に喜ばしいことであると語った。
基調講演やパネルディスカッションではAI、モビリティ、スマートシティ、ブロックチェーンなどをテーマに、両国の企業・専門家が登壇し、ラトビア企業との技術連携のメリットや、ラトビアの良好なビジネス環境について紹介した。フォーラムの最後には、日本で再エネの発電・供給を行う、いちごECOエナジーとラトビアのフォルテスとの協力に関する覚書の調印式が行われた。
調印式の様子(ジェトロ撮影)
(齋藤寛)
(日本、ラトビア)
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