アルバニージー政権2期目の新内閣が発足、首相はインドネシアへ初外遊
(オーストラリア、インドネシア)
シドニー発
2025年05月19日
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は5月13日、新内閣の閣僚名簿を発表した(添付資料表参照)。5月3日に実施された連邦議会総選挙で労働党が勝利を収め(2025年5月7日記事参照)、13日の就任宣誓式を経て、アルバニージー政権2期目の新内閣が始動した。
主要閣僚のリチャード・マールズ副首相兼国防相、ペニー・ウォン外相、ジム・チャルマーズ財務相、ドン・ファレル貿易・観光相などが続投するほか、マデレイン・キング資源・豪北部担当相、クリス・ボーウェン気候変動・エネルギー相、ジュリー・コリンズ農林水産相なども留任となる。閣僚は23人(閣外大臣を除く)で、女性が12人起用された。新たに任命された閣僚はミシェル・ローランド法相、マレイ・ワット環境・水資源相(前雇用・労使関係担当相)、ティム・エアーズ産業・イノベーション・科学相(前貿易担当補佐大臣)などだった。
アルバニージー首相は就任後の国会でのスピーチで、国際貿易の重要性にも触れつつ、雇用創出や生活水準の向上、クリーンエネルギー経済への転換という国内の課題を乗り越えていく決意を表明した。また、首相は環境保護・生物多様性保全法(EPBC法)を改正し、新たな環境保護基準の策定や連邦環境保護庁(EPA)を設置して環境保護進めていく方針で、12日の記者会見ではワット環境・水資源相の活躍に期待を示した。新内閣発足を受け、現地報道は「新内閣の顔ぶれは、アルバニージー首相が慎重かつ一貫性のある政権運営を継続したいと考えていることが見てとれる」(「ガーディアン」紙(5月13日付電子版))と報じた。
インドネシア大統領と会談、2国間関係の拡大・深化を議論
アルバニージー首相は政権2期目初の外遊先として、インドネシアを訪問し、15日にプラボウォ・スビアント大統領と会談した。15日付の首相プレスリリースで、インドネシア・オーストラリア包括的経済連携協定(IA-CEPA)の見直し・拡大について合意したと発表した。見直しでは、ネットゼロへの移行、重要鉱物とその新興技術、デジタル貿易の推進を新たに含める予定だ。そのほか、海洋協力強化のためオーストラリアからの資金拠出、インドネシア軍のオーストラリア北部準州での訓練開始など、安全保障関係の取り組みを新たに発表した。
(青島春枝)
(オーストラリア、インドネシア)
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