リオ・ティント、チリでのリチウム開発に参入
(チリ)
調査部米州課
2025年05月26日
チリの国営銅公社(CODELCO)は5月19日、チリ北部アタカマ州のマリクンガ塩湖におけるリチウム開発プロジェクトのパートナーとして、英国・オーストラリアの資源大手リオ・ティント(Rio Tinto)を選定したと発表した。CODELCOは同社について、チリを含む世界35カ国で事業を展開する、業界2位の規模を持つコングロマリットとして紹介している。チリ国内でリチウム生産を手掛ける民間企業としては、チリのSQM、米国のアルベマール(Albemarle)に次いで3社目となる。
本プロセスは、2023年4月に発表された国家リチウム戦略(2023年4月28日記事参照)、および2024年3月に発表された塩湖の区分に基づく官民パートナーシップの枠組み(2024年4月11日記事参照)に基づき、実行されたもの。今後は、CODELCOとリオ・ティントによる合弁会社が設立される。CODELCO側が50.01%を出資することよってマジョリティを担うことに加え、取締役会を構成する5人についても、うち3人の指名権をCODELCOが所有する。
リオ・ティントによる拠出額は、今後のプロジェクトの進行にしたがって、最大で9億ドルにも上ると発表されている。また、塩湖でのリチウム開発にあたっては、同社の直接抽出技術(DLE)を利用することで、環境負荷の低減が期待されている。
CODELCOは、2023年5月30日付でマリクンガ塩湖におけるリチウムの探査結果を発表している。同発表によれば、マリクンガ塩湖は、SQMとアルベマールが開発を進めるアタカマ塩湖に次いで、世界2位のリチウム濃度を誇る塩湖とされている。
(佐藤竣平)
(チリ)
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