トランプ米大統領、米国外で製作された映画に100%の関税を課すと投稿

(米国)

ロサンゼルス発

2025年05月07日

米国のドナルド・トランプ大統領は5月5日、米国外で製作された全ての映画に対し100%の関税を課すと自身のSNSに投稿した。同投稿を受け、業界関係者はコストの急騰や、映画の年間製作本数が減ることで、映画のチケット価格が上昇する可能性があると警戒をあらわした(ABCニュース5月6日)。トランプ氏の映画製作に対する関税の提案について、具体的な内容は明らかにされていない。

関係者は、米国の映画スタジオは近年、製作費を抑えるためにロケ地を米国外に移すことが増えているが、関税がどのように適用されるのか、関税によって国内での映画製作が増えるのか、という点は明らかでない、と指摘する。

反対に、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)によると、2023年の米国の映画・テレビ産業の輸出額は226億ドルで、海外映画製作費を153億ドル上回る。同産業は2023年に85万6,000人の雇用を創出しており、同産業が国内回帰することによる恩恵はある、と他メディアで報じられている。一方、複数の金融アナリストは、関税により映画の価格引き上げのほか、米国での映画公開やストリーミングサービスの停止を含む、報復措置の可能性を指摘している。トランプ氏の提案が実施されれば、本来支援すべき業界に打撃を与える可能性がある、との指摘もある。

(サチエ・ヴァメーレン) 

(米国)

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