トランプ米大統領就任100日でウクライナ紛争・関税政策・経済にほぼ半数が不支持表明、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年05月02日
米国のトランプ政権発足後100日が経過し、2025年第1四半期の米国経済成長はマイナスを示した(2025年5月1日記事参照)。ドナルド・トランプ大統領はジョー・バイデン前大統領の責任を問う発言もしている。最近の世論調査では、トランプ氏の主な政策にほぼ半数が不支持と回答した。
マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学は4月30日、トランプ政権に関する世論調査結果(注)を発表した。それによれば、トランプ氏就任100日で主な項目への支持・不支持を聞いたところ、「ロシア・ウクライナ戦争」で不支持が52%、「関税政策」は51%、「経済状況」が49%と過半あるいはほぼ半数が不支持となった。一方、支持率が高かったのは、「高等教育」(45%)、「移民政策」(45%)、「国外追放政策」(43%)、「外交政策」(43%)だった。
100日の総括として、「より失敗が多い」とする割合が52%、「より成功が多い」は48%だった。支持政党別では、共和党支持者の86%は「より成功が多い」とし、民主党支持者の88%、無党派層の55%は「より失敗が多い」としている。
予想される雇用への影響
多くのエコノミストは、米国の労働市場が堅調である限り、より持続的な景気後退は起こりにくいと述べている。しかし、企業が人員削減を始めれば、経済状況は急速に悪化する可能性があると指摘する。トランプ氏が大統領に就任する前から2025年の成長が鈍化すると予想されていたため、企業は既に雇用を縮小しており、経済への緩衝材は減少しているという(「ニューヨーク・タイムズ」紙4月30日)。
米国の主要企業を含む企業団体ビジネス・ラウンドテーブルの各企業の最高経営責任者(CEO)を対象に実施した調査では、今後6カ月の見通しとして、2025年第1四半期には「雇用を減らす」と29%、「設備投資を減らす」と13%が回答した。2024年第4四半期と比較してそれぞれ8ポイント、4ポイント増加しており、企業活動の縮小も予想される。
(注)実施時期は2025年4月25~28日。対象者は全米の登録有権者1,000人。
(松岡智恵子)
(米国)
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