米ユナイテッド航空が成田~ウランバートル便を就航

(モンゴル)

北京発

2025年05月28日

米国のユナイテッド航空は5月1日、成田~ウランバートル便を就航した。同路線は5月1日からから10月13日まで、週3便運航する。同社は米国系航空会社としてはモンゴルに就航する唯一の航空会社となり、航空連盟のスターアライアンスとしては成田~ウランバートル間で初の直行便となる(注1)。

今回の就航は米国太平洋路線の以遠権を用いたもので、成田空港での乗り継ぎにより、米国内の主要な5つのハブ空港との接続を考慮したものとしている。

成田発ウランバートル行き(UA7便)は火、木、日曜日に運航し、ウランバートル発成田行き(UA6便)は月、水、金曜日に運航される。機材はボーイング737-800型機が使用され、ビジネスクラスとエコノミークラスのほか、エコノミープラスという座席クラスを設定し、預託荷物も1人当たり2つまで預け入れが可能など、競合他社との差別化を図っている。

ユナイテッド航空の就航により、競合他社も日本~モンゴル間の価格・サービスで対抗している。MIATモンゴル航空は、期間限定で成田~ウランバートル便の預託手荷物を2個にするほか、6月4日と6月7日の大阪・関西便を20%値引きすると発表した。また、アエロモンゴリアも、6月1日のモンゴルの子供の日限定で、2~11歳の子供を対象に成田便の片道に特別割引を適用するほか、6月末までの期間限定で成田便を25%値引きするキャンペーンを行っている。また、MIATモンゴル航空は、2023年8月に署名されたモンゴル・米国航空協定(2023年8月23日記事参照)に従い、ウランバートルから米国への直行便の就航に向けて、米国連邦航空局(FAA)が発行する航空安全性評価の最上位「カテゴリー1」の取得を目指している(注2)。

モンゴル国家統計局が発表した2024年の路線別航空旅客数は、東京が前年比26.9%増の12万5,089人、大阪が52.7%増の7,193人だった。ソウルの63万1,756人(10.4%増)、北京の27万2,356人(2.2倍)、イスタンブールの14万6,637人(4.7%増)に次いで東京は4番目で、香港、フランクフルト、プサン、フフホトが続く(添付資料表参照)。

(注1)ウランバートルに就航しているスターアライアンス加盟航空会社は、ほかにアシアナ航空、中国国際航空、ターキッシュ エアラインズがあるが、日本からは直行便がなかった。ワンワールドは、2020年から日本航空(JAL)がMIATモンゴル航空とのコードシェアを開始した(2021年7月16日記事参照)。

(注2)MIATは2024年12月30日に、ウランバートルから米国テキサス州ダラスに向けてボーイング767-300型機を用いて直行便の試験飛行を行った。

(藤井一範)

(モンゴル)

ビジネス短信 11f1cfeb57b1d4de