ASEAN7カ国閣僚が通商政策を議論、タイは個別に米国とも面談

(タイ、米国、ASEAN、マレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ブルネイ)

バンコク発

2025年05月22日

タイを含むASEAN7カ国の経済閣僚は5月15日、ASEAN閣僚会合を開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。韓国・済州特別自治道で開催されたAPEC貿易担当大臣会合(MRT)(2025年5月20日記事参照)の合間で、ASEAN域内の貿易協力や米国との関係強化について、議論が交わされた。

ピチャイ・ナリプタパン商務相によると、タイのほか、マレーシアとシンガポール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ブルネイの7カ国の閣僚が参加した。自由貿易への支持を確認した上で、貿易障壁を避けるべきとの意見で一致した。また、参加閣僚らは、米国の関税措置が90日間停止されたことを問題解決の好機と捉えるとした。なお、タイ政府は米国に対して5項目の交渉枠組みを提案しており、MRTにおいてピチャイ商務相が米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表と面談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたことを明かしている。同相によると、タイ側の提案は米国政府、特にスコット・ベセント財務長官から前向きな反応があったという。

また会合では、ASEANの団結と、世界経済の変動に素早く対応することが国際社会で存在感を維持するカギになるとし、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の改定交渉などを進める方針を確認した。ATIGAは2025年内の交渉妥結を目指し、取り組みが進められている(2025年5月19日記事参照)。

加えて、ピチャイ商務相は、タイ政府が国内経済の安定を重視しているとのコメントを発表した。特に中小企業を対象に、条件が緩やかなソフトローンの提供や技術・ノウハウの向上、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を中心に、自由貿易協定(FTA)を活用した輸出市場の拡大など、短期・長期の支援策を進めているという。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国、ASEAN、マレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ブルネイ)

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