ベトナムのブンアン港第3埠頭が完工
(ラオス、ベトナム)
ビエンチャン発
2025年05月01日
ベトナム中部ハティン省に位置するブンアン港で4月28日、第3埠頭(ふとう)の完工式が行われた。隣国ラオスのトンルン・シースリット国家主席やベトナムのルオン・クオン国家主席らが出席した。同埠頭は2015年9月から総額1兆ドン(約55億円、1ドン=約0.0055円)の投資で、2期に分けて建設が行われ、長さ225メートル、水深13.3メートルで、最大4万5,000載荷重量トン(DWT)の船舶を受け入れることができる。年間215万トンの貨物の取り扱いが可能となるという。第1、2、3埠頭を合わせ、ブンアン港として年間取扱量が700万トンに増加すると期待される。
ラオスとベトナム両政府間は、連結性強化のために優先されるべき事業として、ブンアン港の共同開発を挙げている。ブンアン港は海のない内陸国ラオスから最も近い国際港で、ラオス側との国境のナーパオ国境(ラオス側)/チャロー国境(ベトナム側)から約140キロ、首都ビエンチャンからもナムパオ国境(ラオス側)/カウトレオ国境(ベトナム側)経由で約570キロの位置にあり、距離としてはバンコク港(690キロ)よりも近い。
これまで2001年に両政府間で同港の共同投資と運営について基本合意し、2010年から港を運営するブンアンポート・ベト・ラオの20%の株式をラオスの国営企業が保有した。2017年にはラオスベトナム国際港合同会社へと名称を変更し、現在はラオスの国営企業ラオ・アジア・テレコミュニケーション(注)が60%の株式を保有している。
また、ブンアン港とラオスの首都ビエンチャンを結ぶ総距離555キロの鉄道建設(2022年4月4日記事参照)も計画されているが、資金不足によって当初の計画よりも遅れている。
(注)ラオ・アジア・テレコミュニケーションは、51%をラオス財務省、49%をペトロリアム・トレーディング・ラオ(PTL)が保有する国営企業。PTLはラオス初の民間上場企業で、ジェトロ調査レポート「LAOS100(前編、35ページ参照)」でも詳しく紹介している。
(山田健一郎)
(ラオス、ベトナム)
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