湖北省、主要投資プロジェクト着工が進む

(中国)

武漢発

2025年04月11日

中国の湖北省政府は4月3日、「2025年第2四半期に向けた重点プロジェクト集中着工式」を開催し、中国共産党湖北省委員会の王忠林書記や、李殿勋省長らが出席した。同イベントにおいて、王書記は「効果的な投資の促進による経済の安定化、および産業構造の転換とアップグレードに注力する。また、質の高いプロジェクトへの投資により質の高い開発を支え、中国中部地域における主要戦略拠点建設のためにより大きな貢献を果たしていく」と強調した。

今回発表されたプロジェクトのうち、プロジェクト費用が1億元(約20億円、1元=20円)以上のものが2,047件におよぶ。投資分野ごとにみると、工業分野関連プロジェクトが1,437件、インフラ設備関連が315件などと多数を占めたほか、社会生活関連が135件、不動産関連が94件、生態環境保護関連が66件だった。投資の出資元ごとにみると、民間企業による投資が1,477件で、総投資額は6,743億元と全体の59.9%を占め、前年同期比2%増だった。なお、政府による投資は570件で、総投資額は4,514億元と、全体の40.1%だった。

李省長は、「2025年に入って、湖北省全体で需要と供給の両側面に力を入れており、投資と消費の双方を促進している。効果的な投資を拡大することで、経済成長を牽引し、市場供給を最適化していく」と述べた。湖北省は、2024年から引き続き消費財の買い替え推進政策を積極的に展開しており、消費促進の手段として一定の効果を発揮している(2025年4月9日記事参照)

投資面で堅調な伸びをみせる湖北省

湖北省統計局が3月24日に発表した2024年の湖北省の経済指標によると、同年の固定資産投資は前年比6.5%増となり、堅調な伸びをみせた。内訳を産業別にみると、一次産業は2.8%増、二次産業は14.7%増、三次産業は2.1%増だった。また、分野ごとでは、工業投資が14.7%増、インフラ設備投資が9.8%増と高い伸びをみせた一方、不動産投資は中国国内における低迷を反映するかたちで5.9%減だった。中国国内全体で不動産投資が伸び悩む中、その他の分野においていかに投資を促進できるかが今後の鍵となる。

(西島和希)

(中国)

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