カナダ政府、米関税措置の影響を受けるカナダ企業への新たな支援策発表
(カナダ、米国)
調査部米州課
2025年04月22日
カナダのフランソワフィリップ・シャンパーニュ財務相は4月15日、カナダと米国間の関税紛争の影響を受けたカナダの企業や団体を支援する新たな措置を発表した。支援は主に3つの内容で構成し、米国がカナダ製品に課した関税に対してカナダが発動した報復関税の一部を免除することも含んでいる。
第1の支援は、自動車メーカーに対する、パフォーマンス基準の関税免除枠組みを発表した。同枠組みはカナダでの生産と投資を継続することを奨励するもので、カナダで車両を製造し続ける自動車メーカーが米国・カナダ・メキシコ協定(CUSMA、注)準拠の米国で製造された車両を米国から輸入する際、その一定数についてカナダによる対米報復関税を免除するものだ。同枠組みは、これらの自動車メーカーがカナダでの車両生産を継続し、計画された投資を完了することを条件としており、カナダでの生産や投資が減少した場合、関税免除車両の数も減少する。
第2の支援として、カナダの製造業や食料・飲料品包装、公衆衛生や国家安全保障のために使用される製品に対し、6カ月間の一時的な関税の免除を行うとした。
第3には、カナダのマーク・カーニー首相が3月に発表した新しい大企業関税ローン施設(LETL)が現在申請を受け付けていることをアピールした。同プログラムは、米国との貿易戦争で打撃を受けた大企業の事業継続を支援する。
発表ではまた、今後数週間から数カ月にわたり、必要に応じて、企業や労働者を支援する追加措置を講ずるほか、連邦政府は全ての管轄区域で補完的な支援が確保されるよう、州、準州と緊密に協力し続けるとした。
(注)米国ではUSMCA、メキシコではT-mecと呼ばれる。
(谷本皓哉)
(カナダ、米国)
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