フェニカー大学が就職支援イベント開催、日系企業も参加

(ベトナム)

ハノイ発

2025年04月21日

ベトナムの地場複合企業フェニカーグループ傘下のフェニカー大学は41日、ハノイ市内のキャンパスで企業説明会イベント「フェニカー・キャリア・フェア 2025」を開催した。同イベントは4回目の開催。地場企業やベトナムに進出する外資系企業を中心に74社がブースを構え、数千人の在校生と近隣大学の学生と交流した。日系企業は10社程度が参加した。

フェニカー大学は、2018年に前身のタイン・タイ大学から名義変更された私立大学。コンピュータサイエンス、エンジニア、ビジネスマネジメント、医薬、言語・社会科学などの分野で教育を行っている。中でも、コンピュータサイエンス分野は、日本語教育のプログラムも有しており、プログラム参加者には卒業要件として日本語能力試験N3の取得相当の日本語能力を求めている(「ベトナムのIT系大学と日本企業等との連携可能性に関する調査PDFファイル(4.2MB)」参照)。同イベントを企画・実施した学生支援・コンサルティングセンター副所長のグエン・ティ・キム・サウ氏は、開催の狙いを「学んだ内容を発揮できる仕事に就くためにも早期からキャリア教育を行いたい。今回の取り組みを通して、学年の低いうちからさまざまな企業を知ることが将来のキャリアを具体化させる一助となる」と語った。

会場には地場ベトナムの有名企業である自動車製造大手のタコ(Thaco)やBIDV(ベトナム投資開発銀行)のほか、日系、韓国系、中国系の企業がそれぞれブースを連ねた。

会場に訪れた学生にジェトロがヒアリングしたところ、就職に直接的につながらない1年生も、キャリアへの関心から参加していることが確認された。

今後の開催予定について、サウ氏は「来年度も開催をする予定であり、出展企業を広く受け付けている。また、今年はベトナム国内での就職を前提とした在ベトナム企業の出展が多かったが、日本など海外で就職することに興味を持っている学生もいる。日本への就職を前提とした出展も受け付けたい」と話した。

ベトナムにおける大卒クラスの高度人材の獲得は、地場や外資企業との競争が年々過熱化する。さまざまな大学とのネットワーキング強化が、人材確保のための対策の1つとなりそうだ。

写真 会場となったフェニカー大学キャンパス(ジェトロ撮影)

会場となったフェニカー大学キャンパス(ジェトロ撮影)

写真 出展各社のブース(ジェトロ撮影)

出展各社のブース(ジェトロ撮影)

(河野尭広)

(ベトナム)

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