英政府、AIとエネルギーに係る評議会の第1回会合を開催

(英国)

調査部欧州課

2025年04月17日

英国政府は4月8日、人工知能・エネルギー評議会(AI Energy Council)の第1回会合を開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同評議会は、政府の「AI(人工知能)機会行動計画(AI Opportunities Action Plan)」(2025年2月5日記事参照)への対応の一環として、科学・イノベーション・技術相とエネルギー安全保障・ネットゼロ相の共同議長の下で開催すると発表されていたもの。英国が経済成長と「変化に向けた計画(Plan for Change)」(2024年12月6日記事参照)の達成にAI技術を重視する中で、AIのエネルギー需要、再生可能で革新的なエネルギーソリューション開発への投資加速、近代的で効率的かつ持続可能なエネルギーシステムでのAIの役割の3点に関する専門的知見を結集することとしている。

第1回会合には、エネルギーやテクノロジー分野の規制当局や企業を含む14団体が参加した。「変化に向けた計画」に基づく成長、雇用、機会創出の中核となる電力とAIの目標推進について議論し、次の5つを向こう1年間の重点分野とすることに合意した。

  • 英国のエネルギーシステムがAIとコンピューティングインフラを支援できるよう、準備を整えること
  • 持続可能性と再生可能エネルギーソリューションの活用を促進すること
  • エネルギーシステム全体におけるAIの安全かつ確実な導入を重視すること
  • ネットゼロへの移行を支援するためにAIをどのように導入すべきかについて助言すること
  • 系統の柔軟性を高める機会を創出すること

今後は4半期ごとに開催することとし、次回は2025年夏の開催を予定している。

開催に当たり、ピーター・カイル科学・イノベーション・技術相は「AIグロースゾーン(AIGZ)」(注)に200以上の自治体から応募があり、AI革命の恩恵を受けたいという国中の要望があるとした。エド・ミリバンド・エネルギー安全保障・ネットゼロ相は、英国の電力系統をAIの時代に適合させるだけでなく、AIがエネルギーシステムにも貢献できることを強調した。

(注)AI機会行動計画の一環として、AI向けデータセンターの建設計画承認の迅速化、合理化、クリーンエネルギーの供給加速を進めるために設立された制度。

(齊藤圭)

(英国)

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