ベトナム、2024年の訪問外国人数は前年比39.5%増、2025年第1四半期も堅調に推移

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年04月22日

ベトナム統計総局によると、2024年にベトナムを訪れた海外からの訪問者数(推定)は1,758万4,000人だった。前年の訪問者数(1,260万2,400人、2024年1月31日記事参照)から39.5%増加した。政府が定めた当初の年間目標(1,700万~1,800万人)を達成し、新型コロナウイルス禍前の2019年の水準(1,800万人)近くまで回復した。ASEAN事務局によると、2019年と比較した海外からの訪問者数の回復率は、ベトナムがASEAN主要国で首位の98%で、マレーシア94%、タイ88%、シンガポール、インドネシアともに86%、フィリピン72%だった。海外からの訪問者数では、ASEANの中でタイ(3,500万人)、マレーシア(2,450万人)に次ぐ第3位だった(ベトナム文化・スポーツ・観光省ポータルサイト1月24日)。2024年の月別の海外からの訪問者数推移は添付資料図参照。

ベトナムへの訪問者数の内訳をみると、上位3カ国・地域は韓国456万9,000人(前年:359万5,100人)、中国373万8,000人(同174万3,200人)、台湾128万9,000人(同85万1,000人)だった。日本は71万1,000人(同58万9,500人)で5位だった(添付資料表参照)。

また、2025年第1四半期(1~3月)の訪問者数(推定)は601万9,000人(前年:464万3,000人)と、前年同期比で29.6%増となった。上位3カ国・地域は中国158万7,000人(前年:89万人)、韓国126万人(前年:123万3,000人)、台湾33万1,000人(同30万人)、日本は22万6,000人(同17万9,000人)で6位だった。

文化・スポーツ・観光省傘下のベトナム国家観光局は海外からの訪問者数増加について、ビザ緩和政策を要因として挙げている。政府は2023年8月、日本などの13カ国(注1)の旅券所持者を対象に、ビザ免除での滞在期間を入国後15日から45日に延長(2023年7月26日記事参照)したほか、2025年3月には、ポーランド、チェコ、スイスの旅券所持者を対象に、45日間のビザ免除措置を新たに導入するなどしている(注2)。

国家観光局は2025年の目標として、2,200万~2,300万人の海外からの訪問者誘致を目指すとしている。

(注1)対象国は、日本、ドイツ、フランス、イタリア、英国、スペイン、ロシア、韓国、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ベラルーシの13カ国。2025年3月15日付で適用開始となった決議第44号/NQ-CPにより、ベラルーシを除く12カ国の免除期間は2028年3月14日まで延長されている。

(注2)2025年1月15日付で発行された決議11/NQ-CPに基づき、2025年3月1日から12月31日までの期間で適用される。指定の旅行会社を介したツアー参加者のみが対象。

(安部暢人)

(ベトナム)

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