2023年の海外からの訪問者数は前年の3.4倍に増加も、新型コロナ禍前の水準には届かず
(ベトナム)
ホーチミン発
2024年01月31日
ベトナム統計総局によると、2023年の海外からベトナムへの訪問者数(推定)は1,260万2,400人だった。前年の訪問者数(366万1,200人、2023年1月19日記事参照)の3.4倍に増加し、政府が定めた当初の年間目標(800万人)を大幅に上回った。一方、新型コロナ禍前の2019年の水準(1,800万人)には届かなかった。
訪問者数の内訳をみると、上位3カ国・地域は韓国359万5,100人(前年:96万5,400人)、中国174万3,200人(同12万4,900人)、台湾85万1,000人(同12万6,200人)だった。日本は58万9,500人(同17万4,700人)で5位だった。
訪問者数は、上半期は毎月90万人前後で推移した。下半期は毎月100万人を超え、12月には137万1,135人に達した。しかし、新型コロナ禍前の2019年の水準である月間150万人には及ばなかった。主要国・地域別で訪問者数の回復率(2019年比)をみると、中国はわずか30%にとどまり、日本は62%だった(添付資料図、表参照)。現地報道によると、インドからの訪問者数が最も回復しており、2019年比で3.3倍だった(VNエクスプレス2023年12月29日)。
地場の民間調査会社アウトボックスが2024年1月17日に発表したレポートでは、中国の景気回復の遅れが、中国人の海外旅行への支出に影響を及ぼしていると指摘。一方、インドからの訪問者数の回復は1990年代の中国と同様、人口の増加や旅行への関心の高まり、航空業界の急成長が要因と分析する。インドからの旅行者は、1人当たりGDPの成長と海外旅行志向の高まりを背景に、今後も増加する見込みだと予測する。
ベトナム文化・スポーツ・観光省傘下のベトナム国家観光局は、2024年の目標として、1,700万~1,800万人の海外からの訪問者誘致を目指すとしている。
(児玉良平)
(ベトナム)
ビジネス短信 57cf794c6c0a9f81