2024年度のインド乗用車販売は430万台超
(インド)
ベンガルール発
2025年04月23日
インド自動車工業会(SIAM)は4月15日、2025年3月と2024年度(2024年4月~2025年3月)の自動車統計(出荷ベース)を発表した。2024年度の乗用車〔(多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年度比2.0%増の430万1,848台(添付資料表1参照)となり、4年連続で過去最多を更新した。2024年度の自動車全体(乗用車、商用車、二輪車、三輪車)の国内販売台数は、前年同比7.3%増の2,560万7,391台だった。
SIAMのシャイレシュ・チャンドラ会長は「インドの自動車業界は、堅調な需要やインフラ投資、中央政府の支援策、持続可能なモビリティーへの注力により、成長が下支えされた」と説明している。今後の見通しについては「一貫性のある政策、個人所得税の改正、インド準備銀行(中央銀行)の金利引き下げなどにより、各分野での需要喚起と消費心理の改善が期待される」とコメントした。
3月単月の乗用車販売台数は前年同月比3.7%増の32万9,742台で、前年同月比9.1%増のUVの成長が同3.9%減の一般乗用車と同13.4%減のバンの落ち込みをカバーした。なお、表1の3月単月の数字には含まれていないが、地場タタ・モーターズの乗用車販売台数を含めると、3月単月の乗用車販売台数は38万1,358台に上る(注)。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比10.0%増の204万9,494台だった。
単月のメーカー別乗用車販売を見ると、首位のマルチ・スズキは前年同月比1.3%減の15万743台、続く現代も同2.2%減の5万1,820台と落ち込んだ(添付資料表2参照)。一方で、マヒンドラ&マヒンドラは同18.3%増の4万8,048台、トヨタ・キルロスカも同13.0%増の2万8,328台と好調だった。他の日系メーカーでは、ホンダは2.2%増の7,228台と前月から好転し、日産は8.0%減の2,484台だった。なお、単月の統計に含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含めて同3.0%増の5万1,616台で、3位相当につけたもようだ(同社発表)。
二輪車販売は、3月単月では前年同月比11.4%増の165万6,939台、2024年度では同9.1%増の1,960万7,332台を記録した(添付資料表1、表3参照)。単月の主な内訳は、オートバイが同5.6%増の103万5,273台、スクーターが同25.7%の58万6,485台だった。メーカー別にみると、ヒーローがホンダを抜き返して首位となる10.9%増の50万9,218台、2位のホンダが12.1%増の40万1,411台と、いずれも好転した。スズキは前月から順位を1つ上げる5位で、23.0%増の10万5,976台、7位のヤマハは13.8%減の5万473台だった。
(注)タタ・モーターズの販売台数は、単月の自動車販売台数全体とセグメント別、メーカー別統計には含まれない。ただし、年度全体の販売台数はSIAMにも報告しており、年度の合計にはタタ・モーターズが含まれている。
(大野真奈)
(インド)
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