米国の相互関税、ポーランド進出日系企業への影響は限定的

(ポーランド、米国)

ワルシャワ発

2025年04月17日

ジェトロは、米国政府が発表した関税措置に関し、ポーランドで4月7~14日の期間で緊急アンケート調査を実施した。対象はポーランド日本商工会の会員企業118社(うち日本資本の会員企業数94社、4月15日現在)で、14社から回答を得た(うち製造業8社、非製造業6社)。結果の概要は次のとおり(詳細な集計結果は、添付資料図1~6を参照)(注)。

  • 相互関税政策によるビジネスへの影響度合い:「ある程度影響がある」が21%、「影響は限定的である」が36%、「ほとんど影響はない」が43%だった。「非常に大きな影響がある」と「わからない」はともに0%だった。
  • 具体的な影響(複数回答):「顧客・取引先からの要請や圧力」が29%、「調達・輸入コストの上昇」が21%、「サプライチェーンの混乱」と「製品・サービス価格への転嫁の必要性」がともに14%だった。「その他」(29%)の具体的な内容としては、自社製品は米国へ直接販売していないが、顧客やOEMの製品が米国に輸出されている場合、間接的に影響を受ける可能性があるというものもあった。
  • 今後の事業計画や見通しへの変化(自由回答):現時点で米国に輸出をしている企業からは、「米国向け製品のグローバル生産アロケーションの見直し」「欧州の顧客割合を増やす」といったコメントが見られた。また、現時点で米国とのビジネスがないとする企業に関しても、調達価格の上昇や販売価格の低下を懸念する声が上がった。
  • 日本政府や関連機関に期待する支援(複数回答):「関税措置に対する交渉・要望の代行」が50%「ポーランド政府との連携強化支援」が43%、「各種相談窓口の設置」が29%、「代替輸出入経路の確保に関する支援」が7%だった。「その他」(14%)では、定期的に米国在住者や日系企業へのアンケートを取り、現地の声を拾ってほしいという意見もあった。

なお、米国関税措置などに伴い、ジェトロは「米国関税措置等に伴う日本企業相談窓口」を米国、カナダ、メキシコ、中国をはじめとした全海外事務所、全国49カ所(大阪本部含む)の国内事務所に設置している。

(注)複数回答の設問について、回答率の分母を各設問の回答総数(延べ回答数)から本アンケート調査の回答社数(14)に見直したことに伴い、2025年5月8日に集計結果を修正しました。

(金杉知紀)

(ポーランド、米国)

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