米USTR、中国の海事・物流・造船分野の301条措置内容を決定、中国船の米入港に追加料金、自動車船は中国船に限定せず
(米国、中国、日本)
ニューヨーク発
2025年04月22日
米国通商代表部(USTR)は4月17日、中国の海事・物流・造船分野に対する1974年通商法301条に基づく措置内容を決定したと発表
した。中国企業が運航・所有する船舶や、中国で建造された船舶の米国港湾への入港について、2025年10月から追加料金を課す。また、自動車運搬船に関しては、中国で建造された船舶に限らず、米国外で建造された全ての船舶の米国港湾への入港に際し、追加料金が課される。追加料金が米国航路の海上運賃の上昇を招く可能性もある。
1974年通商法301条は、外国の通商措置や政策、慣行が通商協定に規定した米国の権利を侵害する場合や、不合理または差別的で米国の商業に負担や制限を与える場合に、外国製品に対して追加関税など輸入制限措置を講じることや、外国のサービスに対して追加料金や制限を課す権限などを認めている。USTRは2024年4月以降、中国の海事・物流・造船分野に関する措置・政策・慣行を対象とした301条に基づく措置の要否や内容の決定に向けた手続きを進めていた(2025年3月13日記事参照)。USTRが公表し、近く公示見込みの官報案
によると、措置内容や、追加料金の段階的な引き上げ、例外規定の主な内容は添付資料表1のとおり。
なお、USTRが同日発表したファクトシート
によると、追加料金は、対象船舶の米国港湾に入港する1航路につき1回のみ課される(米国港湾に複数回入港する航路でも、入港するたびには課されない)。また、中国企業が運航・所有する船舶や、中国で建造された船舶に対する追加料金は、対象船舶1隻につき年間最大5回の適用上限回数が設けられる。
港湾クレーンなどに最大100%の追加関税の措置案発表
併せて、USTRは中国製の港湾クレーンなど港湾荷役設備に対して、最大100%の追加関税を課す措置案を発表し、措置案に関するパブリックコメントを募集すると発表した。ドナルド・トランプ大統領の海事産業基盤再建の大統領令(2025年4月11日記事参照)を受けた追加的措置だとしている。コメントはUSTRのウェブサイト
(案件番号:USTR–2025–0008)から提出・閲覧でき、コメントの受付期間は4月17日~5月19日。USTRは5月19日に首都ワシントンで公聴会を開催する。適用開始時期は現段階で示されていない。追加関税の措置案の対象品目は添付資料表2参照。
(葛西泰介)
(米国、中国、日本)
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