米税関、韓国産の塩製品の輸入差し止め、人権侵害理由に
(米国、韓国)
ニューヨーク発
2025年04月07日
米国税関・国境警備局(CBP)は4月2日、韓国産の塩製品に対して、生産工程での人権侵害の疑いに基づき、違反商品保留命令(WRO)を発令した。同日以降、当該製品の米国輸入はCBPが差し止める。
米国の1930年関税法307条は、強制労働や児童労働、囚人労働などに依拠して生産した物品の輸入を原則禁止している。CBPは、強制労働などの関与を推定する場合に、違反商品保留命令(WRO)を発令して、対象物品の輸入を差し止める。また、当該物品に強制労働などの関与を正式に認定(Finding)した場合、CBPは当該物品の輸入を差し止め、押収・没収する。4月3日時点で今回の件を含めて51件のWRO、9件の認定が有効となっている。国・地域別には、中国の企業や物品に対する措置が最も多く、WROの36件、認定の5件を占める。韓国に対する有効なWROは今回の件のみだ。
CBPは今回、韓国のテピョン(太平)塩田で生産された塩製品に対して、WROを発令した。調査を通じて、ILOの強制労働の指標に当てはまる状況下で生産していることを特定したとしている。CBP貿易局のエグゼクティブ・アシスタント・コミッショナー代行のスーザン・トーマス氏は「サプライチェーンでの強制労働と闘うことは、規則を順守する米国企業が公平に競争できる環境を確保する取り組みの1つだ」と述べ、強制労働などに依拠して生産された外国製品の輸入の取り締まりを通じて、米国の経済的利益を確保する目的を説明した。
第2次トランプ政権発足後にWROが発令されるのは初めて(注)。トランプ政権は4月3日にメキシコ国内の自動車部品製造施設での労働問題を巡って、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づいて、メキシコ政府に事実確認を要請しており(2025年4月4日記事参照)、「ビジネスと人権」に関わる通商関連の措置執行が続いたかたちだ。
(注)ただし、3月17日に、ドミニカ共和国のセントラル・ロマーナが生産した砂糖に対するWROは撤回されている(2025年3月24日記事参照)。
(葛西泰介)
(米国、韓国)
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