2024/2025年度のインドEV登録台数、二輪・三輪車中心に200万台に迫る

(インド)

ニューデリー発

2025年04月17日

インドの2024/2025年度(2024年4月~2025年3月)の電気自動車(EV)新規登録台数は前年度比16.9%増の196万5,723台〔インド道路交通・高速道路省の統計サイト(VAHAN)から、4月9日時点〕で、過去最高を記録した。セグメント別でみると、EV二輪車が前年度比21.2%増の114万9,807台、EV三輪車が同10.5%増の69万9,067台、EV四輪車など(注)が同16.9%増の11万6,849台だった。なお、EV車両全体に占める各車種(二輪車、三輪車、四輪車)の構成比率は前年度からほとんど変化していない(添付資料図参照)。

EV二輪車のメーカー別登録台数をみると、上位では、オラ・エレクトリック34万4,027台、TVS23万7,667台、バジャジ23万959台、エイサー・エナジー13万1,026台で、この4社の合計が8割以上のシェアを占めた(添付資料表1参照)。

EV三輪車の上位では、マヒンドラ&マヒンドラ6万9,617台、バジャジ5万824台、YCエレクトリック4万4,632台、サエラ・エレクトリック2万8,229台、ディリ・エレクトリック2万4,213台で、上位企業の差はあまり大きくなく、シェアが1割を超えるメーカーはない(添付資料表2参照)。日系のテラモーターズは8,472台だった。

EV四輪車などのメーカー別登録台数をみると、首位の地場タタ・モーターズが6万1,993台で、シェア5割を占めたが、前年度の7万131台(シェア7割)から大きく低下した。その一方で、中国の上海汽車集団(SAIC)傘下のJSW・MGモーターが3万272台と、前年度の1万1,684台から大きく拡大し、シェアは約26%に伸びた(添付資料表3参照)。インドでは、中国を含む国境を接する国からの投資に規制が設けられていることから、MGモーターも事業拡大に苦戦を強いられていたが、2023年11月に地場の鉄鋼メーカー大手JSWグループからの出資を受け入れるかたちでJSW・MGモーターを設立して以降、積極的な投資を行ってきた。これまで、インドの四輪EV市場で中国系企業の存在感は限定的だったが、英国発祥ブランドを前面に出したJSW・MGモーターは市場に受け入れられてきている。

EV市場は拡大が続いているものの、前年度比42%増を記録した2023年度(2024年4月22日記事参照)と比べると、特に四輪車を中心として成長は鈍化している。2024年3月にEV生産早期普及策「FAME」が終了となって以降、EV四輪向けの購入補助金が設けられていないことも影響しているとみられる。

(注)四輪車やバス、トラックなど。

(佐藤利昭)

(インド)

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