トランプ米政権、重要鉱物の国内生産強化へ10のプロジェクト発表
(米国)
ニューヨーク発
2025年04月22日
米国のトランプ政権は4月18日、連邦承認改善委員会(Federal Permitting Improvement Steering Council、FPISC、注)が国内での重要鉱物生産プロジェクトの第1弾を「透明性プロジェクト」として認定したと発表した。これは、ドナルド・トランプ大統領が3月に署名した大統領令「米国鉱物生産増加のための緊急措置」(2025年3月24日記事参照)に基づくもので、国内資源の開発を加速し、雇用創出と経済成長を促すとともに、鉱物資源の外国依存を大幅に減らすことを狙う。透明性プロジェクトに認定されると、連邦許認可ダッシュボード
に審査・許認可の進捗状況が公開され、関係機関の連携と迅速な意思決定が促進される仕組みだ。連邦政府の各機関間の調整を強化し、許認可プロセスの効率化と予見可能性の向上を図る。環境審査や許認可取得までの時間短縮にもつながると期待される。
今回選定された透明性プロジェクトは、今後急速に需要拡大が見込まれる銅やリチウム、カリウムなどの重要鉱物の生産に関わる次の10件だ。レゾリューション銅鉱山(アリゾナ州)、スティブナイト金鉱山(アイダホ州)、ウォリアー・メット石炭鉱山(アラバマ州)、マクダーミット探鉱(主となる州:オレゴン州)、サウスウェスト・アーカンソー・プロジェクト(アーカンソー州)、コールドウェルキャニオン鉱山(アイダホ州)、リビー探鉱(モンタナ州)、リスボン・バレー銅鉱山(ユタ州)、シルバー・ピーク・リチウム鉱山(ネバダ州)、ミシガン・ポタッシュ計画(ミシガン州)。
FPISCのマニシャ・パテル事務局長代行は発表で「ダッシュボードは、次世代インフラの便益を全国の地域社会にもたらす上で非常に重要な役割を果たす」と述べた。対象プロジェクトは今後数週間にわたって段階的に追加される予定だ。詳細はFPISCのウェブサイトで公開されている。
(注)オバマ政権下の2015年に、特定の大規模重要インフラプロジェクトに関する連邦環境審査と認可プロセスの透明性、予測可能性、成果の向上を目的に設立された連邦政府機関。
(大原典子)
(米国)
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