小鵬匯天、2026年に空飛ぶクルマの納車開始

(中国)

広州発

2025年04月23日

中国の電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(Xpeng)傘下で、エアモビリティーを開発する広東匯天航空航天科技(AeroHT、小鵬匯天)は4月15日、香港で行われた小鵬汽車のブランド発表会で、初の自社製の分割型空飛ぶクルマ「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」(注)の発売計画を発表した。

小鵬汽車の何小鵬会長兼最高経営責任者(CEO)は発表会で「小鵬匯天の『陸地航母』は2024年の中国航空博覧会で歴史上初となる自動車の有人飛行に成功し、同年で世界最多の受注記録も樹立した。中国本土では既に約4,000件の注文があり、2026年に量産して納車する予定となっている」と述べた。さらに、同氏は「今後20年の間に、従来の交通手段を補完する重要な役割として、空飛ぶクルマは自動車全体の20%のビジネス規模に達することが見込まれる」と語った(「新浪科技」4月15日)。

小鵬匯天の創業者の王譚副総裁によると、「陸地航母」の量産工場(2024年10月31日記事参照)は2025年第3四半期(7~9月)に完成し、先行販売を始める予定だ。中国本土での販売価格は30万ドル以下とし、年間の販売目標台数は1万台だという。また、同氏は、空飛ぶクルマを中国本土で販売した後に、中東や他の海外市場に展開することも検討していると述べた(「観点網」4月15日)。

「陸地航母」は2024年9月3日に披露され、公開飛行試験が行われた(2024年9月18日記事参照)。また、小鵬匯天は2024年11月に海南省との戦略的協力枠組を締結しており、2025年1月21日に「空飛ぶクルマ応用実証島」の建設開始の式典を開催した。同省とは既に40カ所以上の「飛行ステーション」の契約を締結し、海南島全島で飛行ステーションの建設を開始しているほか、計1,000キロメートルとなる国内初の「空飛ぶクルマ用の全島一周航空路」を計画している。(「飛行汽車」4月15日)。

写真 中国国際消費品博覧会(海南省)で展示された「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」の車両(ジェトロ撮影)

中国国際消費品博覧会(海南省)で展示された「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」の車両(ジェトロ撮影)

写真 同博覧会で展示された「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」の飛翔体(ジェトロ撮影)

同博覧会で展示された「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」の飛翔体(ジェトロ撮影)

(注)分割型空飛ぶクルマ「Land Aircraft Carrier(陸地航母)」は、陸上走行モジュールと飛行モジュールから構成される。各モジュールは完全分離でき、飛行時は飛行モジュール単体で飛行、陸上走行時は飛行モジュールを陸上走行モジュール内に完全収納した状態で地上走行を行う。

(陳昕)

(中国)